鳥取の街をつくる道路や橋。それら社会インフラを技術で支えているのが、シンワ技研コンサルタント株式会社です。半世紀以上にわたり積み上げてきた高い技術力と実績は、自治体や発注者から厚い信頼を寄せられています。

今回お話を伺ったのは、同社の設計課で主任を務める佐藤 史弥(さとう ふみや)さん。

大学時代は土木を専門に学んでいなかった佐藤さんが、道路設計のプロとしてどのように仕事と向き合って成長してきたのか。そして、人々の生活を支える仕事だからこその醍醐味についてお伺いしました。

シンワ技研コンサルタント株式会社 佐藤 史弥(さとう ふみや)さん

設計本部設計部設計課主任。新卒でシンワ技研コンサルタント株式会社に入社し、6年目となる。未経験から道路設計のスキルを磨き、現在は主任として後輩の指導にもあたる。国家資格「技術士」取得に向けて勉強に励んでいる。

地域の生活を支える建設コンサルタント。道路設計の流れ

──本日はよろしくお願いします。まずは、シンワ技研コンサルタントの事業について教えてください。

弊社は「建設コンサルタント」の会社です。建設コンサルタントとは、道路、橋、河川といった生活に欠かせない社会インフラの設計や調査、点検などを行う仕事です。

社内には、測量部・調査部・設計部・補償部の4つの部門があります。地形を測る「測量部」、土台となる地盤の状態を調べる「調査部」、構造物そのものを形にする「設計部」、建物等を調査・費用算定する「補償部」。これら4つの部門が連携して、一つのインフラを作り上げていきます。

──そのなかで、佐藤さんはどのようなお仕事をされているのでしょうか。

私は設計部の主任として、「道路」の設計を担当しています。新しい道路を作るだけでなく、今ある道路が使いやすくなるよう改良する業務もあります。

道路設計の流れは、まず現地に行って状況を確認し、どのような道路にするかの検討から始まります。道路には国道や県道などの種類や車線数など、国で定められた細かな基準があります。その基準を守りつつ、現地の地形や周辺環境に最も適した形を考え、図面を作成していきます。

その後、発注者の方に「なぜこの設計にしたのか」の根拠をもとに提案し、協議を重ねて最終的な形を決めていくのが主な役割です。

机上の図面が、誰かの歩む道になる。壁を越えた先にあった感動 

──道路の設計と聞くと、専門的で難しそうなイメージがあります。入社当初、戸惑いはありませんでしたか。

私は学生時代、土木を専門で学んでいなかったので、入社当初は「壁」だらけでしたね。専門用語もわからないし、道路を設計するという責任の重さに圧倒される瞬間もありました。

とくに苦労したのは「図面から完成形を想像すること」です。経験が浅いうちは、平面の図面を見ていても、それが実際の街の中でどうなるのか、立体的な想像がなかなか追いつかなかったんです。

──図面だけでは想像できない難しさがあったのですね。その壁をどのように乗り越えてきたのでしょうか。

地道なことですが、分からないことは素直に先輩に聞く、自分で調べる、メモを取る…。その繰り返しです。一番効果的だったのは「とにかく現地に行くこと」ですね。

机の上で図面とにらめっこしていても解決しないことが、現場で実際の風景を見ると、「ここに書いてある内容は、こういうことだったのか!」とパッとイメージがつながることが何度もありました。現場に行くことで、自分のなかに「想像力の引き出し」が増えていく感覚で。現場に赴く度に成長できたと感じています。

──設計からはじまり、道路が完成したときの感慨もひとしおだと思います。働くなかで一番のやりがいは何でしょうか?

図面上で引いた「線」が、数年後に実際の「道路」として形になったときに何よりもやりがいを感じます。

実は、設計の最中はパソコンの画面や紙の上で「絵」を見ている感覚なんです。その後、実際に完成した現地を訪れて、人や車が道路を通っている姿を見ると、「ああ、本当に形になったんだ」と、言葉にできない感動がありますね。

とくに印象に残っているのは、入社2年目のときに担当した国道の右折レーンの新設プロジェクトです。当時はまだ経験が浅くて、知識も乏しかったので、とにかく必死に勉強しながら一つひとつ進めていきました。

設計の数年後にようやく完成した右折レーンを自分の目で見たときは、このうえなくうれしかったですね。「自分の仕事が、地域の交通に役に立っているんだ」と、初めて肌で実感できた瞬間でした。

静かな集中と熱い連帯。災害復旧の現場で知った「シンワのチーム力」 

──新卒でシンワ技研コンサルタントに入社された佐藤さんですが、入社前後でギャップに感じたことはありますか?

設計職というとオフィスにこもって作業するイメージがありましたが、意外と外に出る機会も多いことが、良い意味で想定外でしたね。

通常の設計業務での月1回ほどの現地確認に加え、弊社では既存インフラの点検業務も請け負っています。橋のひび割れや道路照明・標識の緩みなどを自分たちの目でチェックするんです。

たまに外に出るとリフレッシュできるし、さまざまな現場を見ることが勉強にもなります。内勤と外勤の両方があることで、バランス良く働けていると感じます。

──オフィスで働くことも多いとのことですが、佐藤さんから見て社内はどんな雰囲気ですか?

真面目で穏やかな職場だと思います。作業中と休憩中で、自然に雰囲気が切り替わる感じですね。

設計部は一つのフロアにデスクが並んでいて、40名ほどが同じフロアで働いています。作業中はみんな集中しているので比較的静かですが、休憩中はちょっとした雑談や相談が飛び交う、やわらかい雰囲気かなと。

一方で、いざというときのチームワークも強みです。弊社では、台風で川の堤防が崩れるなどの災害時の復旧設計もおこなっているのですが、災害対応時はとくに団結力の強さが発揮されます。

通常業務では半年スパンで推進する仕事量を、災害対応業務では1ヶ月で対応しなければならないほど、スピードが求められます。災害時には、部署の垣根を越えて、動ける人が集まって協力します。「誰が何をやるか」を瞬時に分担し、連帯感を持ってゴールに向かう。その瞬間のチームワークは、この仕事ならではの熱さがありますね。

主任としての自覚。理想は「さっと手を差し伸べられる先輩」

──入社6年目で主任に就任されましたが、今後の目標について教えていただけますか?

国家資格取得と先輩としての成長が直近の目標です。

建設業界の大規模案件管理においては「技術士」の国家資格が欠かせません。入社して6年が経ち、経験年数としても受験資格を得たので、資格取得に向けて勉強に励んでいます。日々の業務で得た知識を形にし、より主体的に動ける技術者を目指していきたいです。

先輩としては、主任になり後輩が増えるにつれ「お手本のような存在になりたい」という責任感が芽生えました。理想の先輩像は、つきっきりでも放任でもなく、後輩が困っているときにベストなタイミングで「どうかした?」と声をかけられる人。たとえばずっと同じ設計図の画面を見ていたり、何度も資料を見返していたりと、悩んでいる様子の「小さなサイン」を見逃さず、そっと手を差し伸べられる先輩を目指しています。

──最後に、学生の皆さんへメッセージをお願いします。

就職活動中の方や、これから新社会人になる時期の皆さんは「早く一人前にならなければ」「同期に遅れをとらず、いいスタートダッシュを切らなければ」と、自身にプレッシャーをかけてしまうこともあるかと思います。

しかし、最初からすべてを完璧にできる人なんていません。私自身、入社したての頃は知識も経験もゼロで、図面を見てもどんな道路になるのか、まったく想像がつきませんでした。それでもシンワ技研コンサルタントの先輩方は、穏やかな雰囲気でサポートしてくれ、私自身、今は主任として後輩をサポートする立場まで成長できました。

就活と仕事の両方において大事なのは、最初から100点を目指すのではなく、「昨日より今日、一つできることが増えた」と成長を楽しむことだと思います。建設コンサルタントは、その小さなステップの積み重ねが数年後、生活を支える道路や橋といった「形」になるなど、やりがいのある仕事です。

少しでも「社会の役に立ちたい」「長く形に残る仕事をしたい」という想いがある方と、一緒に働ける日を楽しみにしています。

(取材・編集:大久保 崇 執筆:なこてん)

鳥取・島根を中心に、ITの力で地域社会に貢献する株式会社ケーオウエイ。今回は、京都での大学生活を経て地元へUターン就職し、入社11年目を迎えた第一システム営業部の森脇さんにインタビューを行いました。 文系出身、IT知識ゼロからスタートした彼が、いかにして「お客様の顔」と呼ばれる存在になったのか。その軌跡と、新社屋で加速する同社の魅力について語っていただきました。  

第一システム営業部 係長 森脇 有恒(もりわき ゆうこう)さん

鳥取県米子市出身。京都の立命館大学を卒業後、地元への貢献を志しUターン就職。IT未経験の文系出身ながら、持ち前の明るさとスピード感を武器に11年間営業職として活躍中。現在は一児の父として、仕事と家庭の両立を実践している。

文系・IT知識ほぼゼロから、地域の頼れるパートナーになるまで

──まずは、現在の業務内容について教えてください。
私は第一システム営業部に所属しており、民間企業や官公庁を中心に、PC・サーバーなどのハードウェアからITインフラの構築、給与・販売管理などの業務ソフトまで、幅広くITソリューションのご提案を行っています。

──新卒でケーオウエイへ入社したきっかけは何だったのでしょうか。
元々は大学も文系で、IT系の知識なんてゼロに等しかったんです。地元の米子に帰って働きたいなと思って探していた時、よくCMで見かけるケーオウエイの面接を受けてみました。正直、『何をやっている会社かよく分からないけど、面白そうだな』っていうくらいの気持ちだったんですよ(笑)

──「営業職」に就くということは、もともと決めていたんですか?

就職活動をしていた時、自分の強みってなんだろうと考えたんです。もともと根暗というよりは『根明(ねあか)』なタイプで、誰とでも臆せず喋れる。だったら、人と関わることを仕事(営業)にした方が、その後の人生も楽しく過ごせるんじゃないかと思ったのがきっかけでしたね。

──そうだったんですね!実際に営業職をしてみていかがでしたか?

初めは分からないことばかりでしたが、現場で専門用語やシステムの関わりが見えてくるうちに、お客様との会話が広がっていきました。11年も経つと、お客様から『ケーオウエイの森脇さん』として信頼していただけるようになり、その関係性の質が変わっていくのが、この仕事の面白さですね。お客様と深く関わり、その想いや本音を引き出すのが営業の役割だと感じます。

──地域に根付いた会社の営業職として11年。印象に残っていることを教えてください。

初めてPCを買っていただいたお客様に、数年後「主任になりました」と報告しに行った際、自分のことのように喜んでいただいたことがありました。そんな温かい繋がりが、地元で働く醍醐味だと思います。

文系でも安心、プロとしての土台を築く「本気の研修」

──IT未経験での入社とのことですが、教育体制はいかがでしたか?

そこは本当に安心してもらって大丈夫です。新卒の場合、富士フィルムビジネスイノベーションのメーカー研修を半年間ほど受けるのですが、これが本当にレベルが高い。社会人としてのマナーからビジネスの在り方まで、徹底的に学べます。全国から直営店やメーカー本体の営業職が集まるので人数も多く、有名私大出身の優秀な同世代から刺激を受けられるのも、良い経験になると思います。

──半年間も!かなり手厚いですね!中途採用や配属後のフォローはどうでしょう。

中途の方はOJTがメインになりますが、実際の営業に同行しながら学んでもらいます。知識がもう少しあるといいなという方には、ITパスポートの取得を促すなど、自習のサポートもしています。僕自身、今でも後輩には『お客様のために何ができるか』を軸にアドバイスしていますし、仕事とプライベートのメリハリをつけながら、一歩ずつ成長していける環境ですよ。

成功の裏にある「苦い経験」が今の提案力を支える

──11年のキャリアの中で、壁にぶつかったことはありますか?

あるお客様の要望に対して提案をしたのですが、僕自身が中身をあんまり分かっていないまま進めてしまったんです。当然、提案と要望の間に大きなギャップが出てしまい、不採用になっただけでなく、お客様に無駄な労力とお金を使わせてしまいました。当時は曖昧な回答が目立っていたし、準備も検証も足りなかった。あの時は本当に反省しました。

この経験から、「できること」と「できないこと」を明確にし、お客様にとって何がベストかを見定める目を養うことの重要性を実感しました。

──そういった経験を経て、現在お仕事をする上で意識していることはありますか?

とにかくスピードを大事にしています。早く動けば、もし方向性が違っていてもすぐに訂正ができる。うちの社内の良い営業マンを見ていると、共通しているのはみんなスピードが速いこと。先輩や上司の姿を見て、『そういうもんだ』と思って育ちました。

「会社は人」。営業は一人で戦っているんじゃない

──森脇さんが一度も転職を考えずに、ケーオウエイで働き続けている理由を教えてください。

一番は「人のつながり」です。弊社の顧問がよく「会社は人だ」と言いますが、本当にその通りだと実感しています。僕ら営業はフロントに立っているだけで、実際にシステムを組む情報通信部や、発注を支える業務本部など後ろには構築やサポートを担うスペシャリストたちが大勢います。彼らのバックアップがあるからこそ、自信を持って提案ができる。チーム全体でお客様に寄り添うのが弊社のスタイルです。営業として目標を達成すればチームで喜び、絆が生まれる。この環境が本当に働きやすいですね。

──営業チームの雰囲気はいかがですか?

30代から60代まで幅広い層がいますが、決してガツガツした雰囲気ではなく、各自がマイペースに役割をこなしつつ、困った時は部署全体で相談するスタイルです。週に一度のミーティングでも、互いにアドバイスを送り合っています。

──「達成したメンバーで行けるご褒美旅行」という面白い文化もあるそうですね。

営業で成果を出すと、報酬として費用は会社負担で旅行に行けるんです。直近では大分に行きましたし、過去には北海道でジンギスカンを食べたり。全員ではなく限られたメンバーですが、こういう刺激もやる気に繋がっています。

新社屋とヨギボー。明日もまた行きたくなる場所に

──2022年に完成した新社屋は、まさに「明日もまた行きたくなる会社」というコンセプトだとか。

そうなんです。集中してウェブ会議ができる「ワークポッド」や、ヨギボーが置いてあるリフレッシュスペースなど、場所を自由に変えて働ける環境が整っていて、非常に快適ですね。

──働き方そのものにも変化はありましたか?

働き方の柔軟性も年々高まっており、コロナ禍を経てテレワークも当たり前の光景となりました。自分たちがテレワークを実践しているからこそ、お客様にも自信を持って提案できる。まさに『言行一致』ですね。

僕自身、結婚して子供が生まれてからは、オンオフがさらにはっきりしました。家族との時間を大切にしながら、仕事に力が入るようになりました。年間休日も多く、プライベートを大切にできる環境が整っています。

挑戦と失敗を恐れず、地域の力に。

──これから入社を考える方々へメッセージをお願いします。

IT業界は変化が目まぐるしいですが、だからこそ新しいことにチャレンジする姿勢を忘れないでほしいです。挑戦と失敗を繰り返すことが、一番の近道。僕自身、今でもそれを自分に言い聞かせながら取り組んでいます。

そして、社会に出るといろんな人がいます。たまに『きついな』と思うお客様がいても、本音を聞いてみると意外な想いが見えて、そこから商談が広がることもある。若いパワーやアイデアを、僕ら30代以上のメンバーにもぜひぶつけてほしいですね。一緒に鳥取の未来を盛り上げていきましょう!

(取材・執筆:大村 奈々恵)

鳥取県・島根県で自動車販売・アフターサービスを展開するトヨタカローラ鳥取株式会社。入社8年目の営業職・松田さんにインタビュー。入社当初は「車が好き」というわけではなかったという松田さん。中堅社員になって感じる仕事の醍醐味や会社の魅力を伺いました。

松田拳哉(まつだ・けんや)さん

2017年入社。米子店・営業部門所属。入社後、営業職として3年ほど経験を積んだ後、本社にてイベント企画業務を約2年間担当。その後、再び営業職に戻り、現在は米子店で個人・法人のお客様を担当。「話を聞くこと」をモットーに、ロープレよりも生の会話を重視し、お客様との自然なコミュニケーションの中から最適な提案を導き出す信頼関係構築を大切にしている。

人と人としての信頼関係を築くのが仕事

──改めて、会社の事業内容と営業の役割について教えてください。

自動車の販売とアフターサービス、それから自動車に関わる周辺商品の販売をしています。営業は、お客様と一番接する機会の多い部署です。お客様は一般の方がほとんどですが、法人のお客様もいらっしゃいます。来店されたお客様のお話を聞きながら、ご要望にあったサービスや商品をご提案しています。基本的にはお客様1人に対して1人の担当営業がつくので、人と人としての信頼関係を築くことが何よりも大切です。

──この仕事ならではの醍醐味を教えてください。

基本的にはお客様1人に対して営業1人の担当がつくので、人と人としての信頼関係を築くことが何よりも大切です。話していくうちに「松田さんだったら頼れる」「松田さんから買いたい」と言っていただけると、すごく嬉しい気持ちになります。

──お客様の心を動かすために工夫していることはありますか?

一番意識しているのは、自分の話ばかりしないことです。最初はやっぱりがむしゃらだったので、自分の話にいかに納得してもらうかが大事だと思っていました。でも営業ってそういうもんじゃないな、と学んできましたね。お客様の話をよく聞くことが大事。その言葉の中に必ずヒントがあると思っているので。その話を聞いて、自分がどう感じ、どう考えているかを直に伝えたら、すぐではなくても数年後に車を買い替える際にたよりにしてくださるお客様がいらっしゃいます。

──どのようにお話を引き出しているんですか?

車の話だけではなく、共通点を探すところから入ることが多いかもしれません。入社当初はロープレもよくやりましたが、やっぱり生の会話の方が大事だなと思っています。

自分1人の調子が良くても、会社としては成り立たない

──これまで一番大変だったエピソードや、失敗から学んだ経験はありますか?

正直、大きな失敗は今のところないんです。「大変だな」「失敗しそうだな」ということに関しては、事前に予想して上司やマネージャーに事前に報告するようにしています。長く続けている方は経験が違うので、的確なアドバイスをもらえます。スキル面で困ることはそこまでなく、助かっていますね。

──ターニングポイントになった仕事や出来事はありますか?

入社3〜4年目ぐらいのときに、1回営業を離れて本社に2年間勤務し、車両展示などのイベント企画の業務をしていました。お客様へのおもてなしの仕方やノベルティを考えたり。

1,2年目は自分の目標を達成することで精一杯でしたが、本社でイベント企画を経験したことで全体を見渡す必要性を学びました。目標意識が個人から全体になったことが大きいですね。自分1人の調子が良くても、会社としては成り立たない。周りの人がどんな行動をしていて、何を目標にしているかを認識しながら、自分ができることを探していけるという視点を持てたのが一番良かったです。

──仕事で「この会社らしいな」と感じることはありますか?

お客様が引越しをされる際に、グループ会社内の店舗間でお客様の引き継ぎをすることがよくあります。私も引き継ぎをしていただいたことがあって。他店所属ではありますが、お互いに顔を合わせる機会があり、人柄を知っているからこそスムーズに引き継ぎができるんですよね。「このお客様には、この人が合っていそう」と判断し、安心して引き継げるのも魅力です。

働く人が楽しく前向きだったら、成果もついてくる

──入社された頃と比べて、会社はどういうところが変化していますか?

働く環境が綺麗で快適になっていると感じます。米子店は、今年のお盆明けからショールームと事務所をリニューアルしたんです。お客様のことを思って、という理由もありますが、弊社の代表が働く人をすごく大事にしてくれていると感じます。「働く人が楽しく前向きだったら、成果もついてくるよね」と常日頃から言っていて。

また、若手の研修向けの「STGカレッジ」という施設も新設されたんです。鳥取・島根の全店のスタッフ共通で研修を受けられる施設で、今まで以上にフォローがしやすい環境ができていると思います。私が新人のときはなかったので、すごいなと思いますね。

──STGカレッジではどんな研修をしているんですか?

「人が人を作る」というコンセプトで作られた施設で、新入社員研修の最初の1週間は全職種が集まって、会社のことや応対マナーなど、基本的なことを学びます。

その後、4月の残り3週間ぐらいは職種に分かれて専門研修を行います。ただ、車の勉強はほぼ出てこなくて。何をしているかというと、コミュニケーションのトレーニング。どれだけ相手を掘れるかという研修内容がみっちりあるんです。車の知識がない中でも相手を引き出す、という研修ですね。

──「車を扱う業界だから」というよりも、社会人としての学びが大きいのですね。

そうなんです。以前、弊社で飛び込み訪問の営業スタイルをとっていたことがあって。そこで得られていた力がまさに人と人との信頼関係だったと思うんです。その時の知見を活かされていると感じます。業界を問わず活躍できる「人づくり」に力を入れています。

──ご自身が実際の現場で、後輩や若手の方と接するときに心がけていることはありますか?

一旦、本人に考えてもらうこと。教えてもらうばっかりだと身につかないので。これは先輩からやっていただいたことを自分も実践しています。

──仕事以外でも「この会社らしい」と感じる文化や制度はありますか?

鳥取・島根両県で4社のグループ会社なので、結構規模としては大きいんです。年頭表彰や年度会議など、グループ全体で100人以上が集まる機会もあるので、いろんな話を聞けたりして、自分も成長するし刺激になっています。スポーツ好きな人も多いですし、それ以外でも鳥取・島根の美味しいところを集めた雑誌を作っている人もいて、自分の好きなことを実践できる環境です。特に、グループ4社対抗の野球大会は結構「ガチ」。ちゃんと仕事として、遊ぶときは思いっ切り遊ぶことができる会社なので、すごく楽しくやっています。

しっかり楽しんで、遊んで、今しかできない経験を

──少し時を遡って、松田さんがトヨタカローラ鳥取に入社した決め手を教えてください。

人事の方に惚れたからですかね(笑)。学生時代は車に詳しいわけでもなかったし、人と話すのもそこまで好きではなかったんです。でも説明会を聞いて、人事の方が話している様子や表情が楽しそうで。その印象は今も変わっていないです。

──最後に、これから一緒に働く仲間にメッセージをお願いします。

今は学生生活をしっかり楽しんで、遊んでもらって、今しかできない経験を積んでほしいです。僕も入社前は今の仕事のことは何も知らなかったですが、ここまで成長できたので!入った時点から学べる会社なので、楽しくやっていきましょう!

鳥取県を拠点に、建設コンサルタントとして道路や橋などの社会インフラの工事を支えてきた株式会社エスジーズ。「エスジーズ(SG’s)」という社名には、“S=すごい”、“G=技術者”、“’s=集団”という意味が込められており、最新のデジタル技術を取り入れながら地域の技術パートナーとしてまちづくりに貢献しています。

今回お話を伺ったのは、ICT測量チームの藤原 瑛人 (ふじはら あきと)さん。測量士の資格を持ち、工事の基礎となる図面を制作しています。工事の完成像を思い描きながらプロジェクトの出発点に立てるのが測量の魅力なのだとか。

技術主任として後輩育成をする藤原さんですが、過去に苦い経験を乗り越えたから今があると語ってくださいました。部署や年次の壁を超えて協力し合える風通しのいい職場で成長できる、エスジーズの魅力を伺いました。

空間情報グループ ICT測量チーム 主任 藤原 瑛人(ふじはら あきと)さん

工業高校で土木を学び、在学中に国家資格である測量士補の試験に合格。誰も足を踏み入れたことのない地に入って調査をする測量の仕事が性にあっていると感じ、エスジーズに入社。業務を経験する中で合格率10%ほどの測量士試験にも合格し、現在は主任技術者として測量計画の作成などの管理業務を担当している。

社会インフラの土台をつくる。プロジェクトを支える測量の仕事

──エスジーズはどのような事業を行っているのでしょうか。

建設コンサルタント事業を展開し、県や市町村が進める道路やトンネルなど社会インフラの整備に携わっています。今まで蓄積した専門知識と経験をもとに、工事の計画から調査、建造物の設計を担う仕事です。災害時の安全性や日常での利用しやすさを考慮しながら、住民の皆さんに長く使ってもらえる社会インフラの建造を目指しています。

──エスジーズならではの特徴を教えてください。

多岐にわたる調査や、補償などの幅広い専門部署が社内にそろっていることです。たとえば、道路を建設する場合、車両が走行しても地盤沈下しないか確認する地質調査や、住民や自然環境への影響を調べる環境調査が欠かせません。また、土地の所有権や工事に伴う補償の調整も発生します。これらの業務を一社で完結できる体制を整えています。

──藤原さんはどのようなお仕事をされているのでしょうか。

工事の最初の工程である、測量を担当しています。工事予定地の地形や標高などを計測し、図面としてまとめる仕事です。後の工程である工事計画や設計など、プロジェクトを通して利用される情報を作っています。

測量図面は、身近なところでいうと地図アプリやカーナビで道や山の形を表すための元データとして使われています。平面の土地だけでなく、山や海岸のような自然環境を計測することもあるため、誰も足を踏み入れたことのないような場所に入っていく場面もあります。

また、案件によって求められる図面の精度が異なります。一般的な地図では山の形を示す等高線は1メートルごとに引かれていますが、米子市の妻木晩田遺跡の発掘調査の案件では高さ約100メートルの丘を25センチメートル間隔で等高線を引く必要がありました。非常に高い精度が求められる、難易度の高い測量でした。

──仕事で感じる、やりがいや難しさについてもお聞かせください。

基盤となる図面をゼロから作れる点にやりがいを感じますね。まだ何もない手つかずの現場を、大きな道路やダムの完成を思い描きながら測量していると、図面一枚の重みを実感すると同時に、背筋が伸びる思いがします。

一方で、誤った図面を作成してしまうと工事に大きな影響を与えかねません。高い精度と慎重さが求められる仕事ですが、その分、プロジェクトを根幹から支えているという実感を持ちながら取り組んでいます。

年次や立場を越えて学び合う。一人ひとりの考えに向き合う職場

──社員にはどのような方が多いのでしょうか。

新卒の方から、経験豊富な40〜50代の方まで幅広い年代の社員がいます。新卒から入って長く働く方が多いですが、まったく関係のない業界から入られる方もいますので、間口が広い業界だと感じます。

同時に専門知識も求められる会社のため、資格がないとできない業務もあるのですが、真面目に資格取得に向けて勉強される方が多い印象です。

──職場の雰囲気についても教えてください。

年次や部署に関係なく意見を交わせる、風通しの良い雰囲気があると感じます。年齢の離れた上司と若手社員が測量方法について意見を交わしたり、測量データをもとに設計担当者に助言をするような場面も日常的に見られます。業務に限らず、資格の勉強で他部署の知識が必要な場合は、協力して知識を教え合うこともありますね。

また、お互いを尊重するような雰囲気もあり、休憩時間は和気あいあいと雑談をする人もいれば、資格の勉強をする人もいたりと、それぞれの時間を過ごしています。

──藤原さんは主任として部署をまとめる立場かと思いますが、若手社員に対してどのようなことを意識しているのでしょうか。

仕事でつまずいても安心して相談してもらえるように、一方的に指摘するのではなく、相手の目線に立って会話することを心がけています。業務で悩んでいる様子があれば、「どのように考えて作業を進めているか」「どこで判断に迷っているのか」をていねいに聞き、一緒に解決策を探すようにしています。

一方通行な指導だと、相手は責められているように感じ、自ら考えることをためらうようになってしまうと思っていて。私も怒られると萎縮して意見を伝えられなくなるタイプのため、後輩には同じ思いはしてほしくありません。後輩の視点に寄り添いながらつまずいたポイントをひとつずつ整理していくことで、自分で解決できる力がつき成長できるのではないかと考えています。

失敗から学び続けてたどり着いた、仕事の本質と成長の実感

──これまでの社会人生活のなかで、ターニングポイントはありましたか。

過去の失敗を踏まえて、「相手の要望に応えられる仕事ができるようになった」と実感できた瞬間です。

入社して2〜3年目の頃、初めて主担当として図面作成を任されたのですが、求められていた精度の図面を作ることができず、クライアントから厳しいお言葉をいただいたことがありました。

出来形図面(工事を進行するなかで構造物が設計通りに完成しているかを確認できるような図面)が求められていたのですが、必要な情報が計測できていなかったのです。「会社を辞めようかな」と思うほど落ち込みましたね。

──挫折を味わったのですね。どのように立ち直っていったのでしょうか。

当時の上司から「失敗をしたからこそ、次に活かせる」と励ましていただき、もう少し頑張ってみようと改善策を探りました。

プロジェクトごとに図面の役割が異なることに気づき、クライアントや建設業者と図面の利用目的や計測すべき情報をていねいにすり合わせるようになりました。上司や設計担当者にも相談しながら不明点をつぶし、慎重に進めています。

その努力が実ったと感じられたのが、海底の深さを測る海図作成の案件です。受注の少ない珍しい業務だったため、関係者と図面の利用イメージや計測する数値の精度などを何度も確認しながら進めていきました。

その結果、作った図面を褒めていただけたんです。そのとき初めて「あの苦い経験から学んだことが活きた」と実感でき、素直にうれしかったですね。

──成長を実感し、失敗した過去を乗り越えられたのではないですか。

そうですね。「相手の求める成果を出せている」と実感する機会が増え、ようやく失敗を引きずっていた自分と決別し、自分に自信を持てるようになりました。

あの失敗を経験できて良かったのかもしれないとさえ、思えるようになりました。今までは思い出したくもなかったのですが、最近は後輩にも話すようにしています。測量技術のデジタル化で業務の進め方は変わってきていますが、「相手の求める図面をつくるために認識を合わせることが大切」という考え方は変わりません。自分のエピソードで、業務の本質を学んでくれたらうれしいです。

同じ現場は一つとしてない。好奇心を原動力に開拓する面白さ

──この仕事の魅力は、どのようなところにあると思いますか。

まだ人の手が加えられていない場所を、自分たちの手で開拓していく魅力があります。地形を測りながら図にしていく過程は、まるで冒険家のような感覚です。

似たような現場は数多くありますが、全く同じ条件の現場はありません。今でも新しい現場に入るときは「次はどんな場所だろう」とワクワクした気持ちがよみがえってきます。

──最後に、就職活動生に向けてメッセージをお願いします。

ゼロから図面を作るので、未知のものに向き合う場面も少なくありません。そうした環境に臆せず挑戦できる人が向いているのではないでしょうか。

ほかにも、体を動かすことが好きな人や元気が取り柄な方にも合う仕事だと思います。好奇心のある方であれば、測量の仕事はきっと楽しめるはずです。

(取材、編集:大久保 崇・執筆:赤羽 エリ)

ネッツトヨタ鳥取株式会社、3年目の若手営業にインタビュー。車が特別好きだったわけではなく、「人と話す仕事」「生活で使うものの営業」という軸で選んだこの仕事。試行錯誤しながらも、お客様との信頼関係を大切に、日々フロントに立ち続けている。23歳の若手営業マンが語る、リアルな仕事の現場とは。

北田力矢(きただ・りきや)さん

短大卒業後、新卒でネッツトヨタ鳥取株式会社に入社し現在3年目。営業職としてフロント業務を中心に、お客様への車の提案や点検案内などを担当。「聞くのが仕事」をモットーに、先輩たちから積極的に学びながら成長中。プライベートでは同僚や友達とサウナやバーベキュー。和やかで落ち着いた雰囲気が魅力。

「身近な生活に関わること」が仕事選びの軸

――車が特別好きだったわけではないとお聞きしましたが、なぜこの業界に?

接客業や営業職のような、人と話す仕事がしたかったんです。せっかくなら自分が生活で使うものを扱う業界がいいなと。鳥取県で生活していくなら車は必須だし、知識をつけておいた方がいいと思い自動車販売の仕事に絞りました。その中でも、学生時代に住んでいた三重県の家の近くにネッツの店舗があり、身近に感じていて。地元に戻り、ネッツ鳥取を志望しました。

――入社して、車への愛着や知識は増えましたか?

知識は絶対に上がりましたね。タイヤ交換も自分でできるようになりましたし、故障しても大体の原因が分かるようになりました。早くも当時の目的は達成したと思います。

買っていただいた後のフォローが本質

――では、会社の事業内容を学生にも分かるように教えていただけますか?

お客様に車を販売する際の接客や提案が大前提。また点検の案内やリコールの連絡、お客様が事故にあった時の対応など。買っていただいた後のフォローの割合が多いんです。

――北田さんご自身の普段のお仕事内容は?

基本的にはフロントでの接客が中心で、点検の受付や新しい車の提案などをしています。フロントとはお客様と店舗の最初の接点。基本的に、お客様1人に対して営業1人が担当につきます。突発的に来店されたお客様の営業担当が不在の場合は誰かが対応するケースもあるので、営業間でのお客様情報の共有もしっかりとします。

――営業を行う中でのやりがいや面白さを教えてください。

お客様が増えていくことですね。入社当初は、担当のお客様がゼロのところから、ベテランの方から引き継いだりもしました。一番やりがいを感じるのは、やはり車を買っていただけた時。まだ営業担当がついていない新規のお客様とゼロから関係性を築けていけたときは本当に嬉しいです。

――初めて車を売ったのはいつですか?

2023年の4月に入社し、試用期間を経て10月から接客・販売できるようになり、初めて契約が成立したのは12月。最初の1台は友達が買ってくれたんです。次のお客様が初めての本格的な商談でした。60代の方だったのですが、契約のときに「あなたじゃなかったら買ってなかった」と言ってもらえて。人生で初めてのお客様からの言葉に「この仕事を選んでよかったな」と心から思いました。

――「あなたじゃなかったら買ってなかった」と思っていただけたのは、何が要因だったと思いますか?

初めての商談だったので、ぎこちなさが前面に出てたと思うんです。相手の方は人生経験豊富で、今までいろんな営業担当を見てきた中で、多分僕が一番若かったと思います。それが逆に良かったんじゃないかなと。仕事に慣れたスタッフだと、がむしゃらさは伝わらなかったかもしれません。新人だから頼りないと思うお客様もおられると思いますが、その方は僕の真剣な気持ちを汲み取ってくれたんだと思います。

――素敵なエピソードですね。その経験が今も活きていますか?

そうですね。どのお客様にも「あなただから買った」と思ってもらえるような接客を心がけています。そういう経験が一発目にあるとないとでは全然違ったと思います。

制限もあるからこそ、人と人のつながりが大事

――逆に、折れそうになった経験や壁にぶつかったことは?

まだ3年目でこんなこと言うのもなんですが…成績が出ないときは本当にきついですね。単純にきついです。入社当初も同期が2人いて、その2人は、入社から8ヶ月目に僕が初めて受注できたタイミングで6台くらい売っていたので、ちょっと出遅れた感があったんです。最初は同期に勝ちたいという気持ちが強かったです。(笑)

――その状況をどう乗り越えようとしていますか?

やっぱり先輩たちに聞きますね。「僕みたいな時期ありました?」って。それでアドバイスをもらうことも多いです。助けられてばっかりですね。まだまだ分からないことしかないので。でも「聞くのが仕事だ」と思っているので、躊躇なく聞いています。学生時代のアルバイトで教える側の立場にいたことがあって、それが普通という感覚だったんです。だから自分が後輩の立場になっても、ガンガン聞いていますね。

――好調なときとそうでないときの違いは?

それが分かればいいんですけど……。(笑)調子がいいときは、何か雰囲気でお客様に伝わるものがあるのかもしれません。無自覚で出てしまっているんでしょうね。

業界的にも変化がありますね。昔はどんな車も注文できたんですけど、今は受注が中止している車も多くて。「この車が欲しい」と言われても「今はちょっと注文できないんです」というケースが何件もあるんです。制限もあるからこそ、人と人のつながりが大事になってくるんだと思います。

チャンスがいつ来るか分からない、日々の現場

――基本的に1日のスケジュールは決まっているのですか?

日によって全然違いますね。自分が担当しているお客様の点検が全くない日もあれば、たくさん予約がある日もあります。商談が入っていればまた動きも違いますし。新規のお客様の対応をする場合もある。いつどんな仕事が入るか読めないのは大変ですが、見方を変えるとチャンスがいつ来るか分からないということでもあります。

――お店で一緒に働くメンバーはどんな雰囲気ですか?

大体18名のスタッフがお店にいますが、僕の店舗は明るくてノリがいいですね。プライベートでもよく遊ぶような年の近い先輩もいます。工場・店舗間のスタッフの仲も良いです。飲み会にもほぼみんな来る。

――他店舖の方と関わることもありますか?

ありますね。若い年次の人だけでの研修があったり、自分の担当のお客様が他店舗の近くに住んでおられれば、近隣店舗に予約を入れることもできます。店舗間で電話もたくさんしますし、プライベートでも遊びます。店ごとの数字を求められたときはライバルのような関係にもなるけど、協力し合うことの方が多いかな。

「こいつがいるから」という存在に

――今後、会社の中でどう成長していきたいですか?

役職を上げることには正直興味がなくて。でも、チームの中で「こいつがいるから今月の目標は大丈夫だな」という存在にはなりたいですね。

――3年続けている理由、これからも続けるであろう理由は?

お客様に車を買っていただき、これから付き合っていこうという中で、すぐ辞めたら失礼だと思うんです。僕を選んで買ってくれたんだから。

あとは、この会社の人間関係で悩んだことがないこと。これが一番大きいかもしれません。自分はどんなに給料が良くても、人間関係がダメなら続かないと思うんです。

――最後に、就職活動中の学生さんにメッセージをお願いします。

自分がやりたいことをやるのが一番だと思うので、そこはぶれずに仕事を探してほしいですね。入ってからでないと分からないこともあるので、適当にもガチガチにもなりすぎず、自分らしくいられる仕事を見つけてほしいと思います。

(取材・執筆:田野百萌佳)

健康食品・サプリメントの開発・製造や通販事業を展開し、どんな方でもわかりやすい商品名や広告で知られる八幡(やわた)物産株式会社。同社の制作係は、お客様へ商品の魅力を伝えるチラシやDM、パッケージデザインなどのクリエイティブを担当している部署です。

今回は、大学で学んだ心理学とは異なる道を歩み、未経験から制作のプロとして活躍する櫛田 彩香(くしだ あやか)さんにインタビュー。入社時はデザインツールを触ったこともなかった櫛田さん。入社から4年、成長のきっかけとなった制作や先輩社員の支え、八幡物産のチーム力について聞きました。

制作係 櫛田 彩香(くしだ あやか)さん

鳥取県出身。大学では心理学を専攻しカウンセラーを目指すも、キャリアチェンジを決意。地元企業で働きたいという想いから、八幡物産株式会社に総合職として入社。入社後、デザイン未経験ながら「制作係」に配属。お客様の手元に届くチラシ、DM、カタログなどの販促物制作を一貫して担当する。

「キャッチーさ」を大切にお客様の心を動かす。八幡物産の制作係

──まず、八幡物産の事業内容について教えていただけますか?

弊社は、健康食品やサプリメントなどを扱う通信販売会社です。テレビショッピングや新聞広告などを通じて全国のお客様に商品をお届けしています。若い方々にも手に取っていただきやすいよう、ドラッグストア販売へも裾野を広げています。

──八幡物産の商品といえば『ホップ・ステップ・ジャンプ!』や『見えるんです!』といったユニークでキャッチーな商品名が印象的です。商品づくりではどのような点にこだわっているのでしょうか?

お客様に手にとってもらいやすいような、わかりやくキャッチーな商品名の立案を心がけています。社内の掲示板で募集される時もありますね。

私も応募したことがありますが、お客様に親しみを持っていただけるよう、遊び心がありつつも、商品の良さが伝わるような名前を大切にしています。

──櫛田さんが担当されている仕事のやりがいや面白さについて教えてください。

私は「制作係」でお客様に届けるチラシやDM(ダイレクトメール)、カタログなどの販促物の制作を担当しています。現在、計4名のデザイナーが在籍しており、 皆で分担・協力しながら進めています。

新商品のパッケージ案を作成することもあります。どうすれば「商品の魅力を分かりやすく、正確にお客様に伝えられるか、「ああでもない、こうでもない」と試行錯誤しながらデザインを仕上げていく過程が楽しいですね。出来上がった自分のデザインに対して同僚や上司から「いいね」と褒めてもらえると、クリエイティブな仕事ならではの喜びを感じます。

未経験からカタログ制作に挑戦。仕事の景色が変わった

──制作係に入ったのはどのようなきっかけだったのでしょうか?

大学では心理学を勉強していたのですが、授業や実習を通して「自分にはカウンセラーは向いていない」と気づいて。就職を機にやりたいことを見つけようと、地元での就職活動を始めました。

八幡物産の面接で「興味がある部署はどこか」と聞かれた際に、美術の授業での作品作りやプレゼン資料を作るのがすごく好きだったことから「制作」と答えたんです。それがきっかけで配属が決まったのかなと思います。

──入社後、実際に制作の仕事に取り組んでみていかがでしたか?

正直、毎日が葛藤でした。デザインの経験も知識もないため、まずはチラシの簡単な修正からスタートしました。先輩がつくったものを参考に作業をしながら、デザインの基本的な考え方や意図を教えてもらいました。

入社して間もない頃、初めて完成させたチラシ案を他部署の方々に見ていただいた際、大幅に修正点や変更点がでたことがあって。「自分なりに頑張っているだけではダメだ……」と、自分の至らなさに悔しさを感じました。

先輩はそんな私の悔しさを受け止めてくれたうえで、「何が違ったのか、お客様視点で何が不足していたのか」を丁寧に教えてくれたんです。「制作物は自分の作品ではなく、お客様に一番伝えたいメッセージを届けるもの」だと学び、プロとしての視点が足りていなかったと気づきました。

好きな美術の作品やプレゼン資料の作成のように取り組んでいたのですが、このときの私は「自分が楽しい」で完結していました。仕事では制作物を届けるお客様がいます。この「届ける」プロセスこそが最大のやりがいです。学生時代は一消費者として「受け取る側」だった自分が、今度は「届ける側」になれていると思うとなんだか感慨深いです。 先輩方の具体的なフィードバックがあったからこそ、未経験でも一歩一歩、 制作のプロとして成長できたと感じています。

──これまでの4年間で、とくに印象に残っている制作物について教えてください。

入社3年目のとき、シーズンキャンペーンで使う全16ページのカタログ制作の担当者として、ゼロから作り上げたカタログです。弊社の商品を購入してくださるお客様へお送りする、いわば「やわたの顔」となる販促物なので、いつも以上に責任を感じながら制作に挑みました。

初めてのことばかりで、ラフの描き方から上司に教えてもらいました。ラフの段階で考えがまとまっていないと、デザインに起こしても全然うまくいかなくて。

初めての大規模な制作をよりよくするために、会社外でも意識的にさまざまなデザインを注視するようにしました。スーパーや図書館に置いてあるイベントのフライヤー、新聞に入っている広告チラシなど……。「他社はこういう配色で目立たせているんだな」「どういうデザインが分かりやすいんだな」とたくさんストックしました。

学びも葛藤も多い制作となり、長い期間と工数をかけてようやくカタログが完成したときは、やり切った達成感を得ると同時に自信にもなりました。

──この経験を通して、ご自身の中で変化を感じる点はありますか?

「自分一人でできる仕事には限界がある」「人の力を借りることで、より素晴らしいものがつくれる」ということを学びました。仕事に対する考え方もガラッと変わったと思います。

カタログ制作を経験する前は、自分から積極的に他部署に質問したり話しかけたりすることは、あまりしてこなかったんです。

でも今回の制作では、商品の情報や伝えたいことを整理するために他の部署の人に話を聞くことが重要でした。実際に話を聞いてみると、知らなかった商品のこだわりを聞けたり、客観的なアドバイスをもらえたりと、想像以上に得るものが大きかったんです。

同時に「もっと周りの人に頼っていいんだ」と気づいた瞬間でもありました。周りの人に頼ることで客観的なアドバイスをもらえたり、良いところは褒めてもらえたりして、前向きに制作に取り組めるようになったと思います。

未経験でも挑戦できる。八幡物産の「味方でいてくれる」安心感

──八幡物産への入社の決め手についても教えてください。

「人」と「環境」が決め手です。八幡物産の会社見学で対応してくださった方が、私の質問に裏表なく誠実に答えてくださって、「この人たちなら信頼できる」と感じました。

福利厚生の面でも、自分に合っていると感じました。私は月に1回は必ず旅行するほどの「旅行好き」なので、土日休みに加えて休日が取りやすいことも魅力に感じましたね。

──人柄や働き方が決め手になったのですね。実際入社してみて、職場の雰囲気はどうでしたか?

上司や先輩に相談しやすく、柔らかい雰囲気の職場だと思います。会社見学の際に抱いた印象と良い意味でギャップがなかったのがよかったです。

メリハリをつけるのが上手な人が多く、会議の際にはしっかりと議論し、ふとした隙間時間では楽しそうな雑談が聞こえるなど、和やかなムードがあります。

先日、私が髪をばっさり切ったときも、他部署の方々がすれ違いざまに声をかけてくれて、「見ていてくれているんだな」と感じてとてもうれしかったです。

──そもそも未経験からのスタートとなると、不安も大きかったかと思います。社内のサポート体制はいかがでしたか?

職場は優しい雰囲気の方ばかりで「何でも質問していいよ」と言ってくれるので、少しでも迷ったことがあれば気兼ねなく質問できました。

私は入社当初、デザイン業務で使用するPhotoshopやIllustratorの使い方すらまったくわからない状態でした。上司や先輩が業務を通して一から丁寧に教えてくださったおかげで、今では制作に必要なソフトを使いこなせるようになっています。

制作部の係長は、具体的なアドバイスをくださるだけでなく、良い点については惜しみなく褒めてくださるんです。デザインの経験がない私にとって「上司が味方でいてくれている」という実感を持てたことが、新しいことにも挑戦する勇気となりました。

制作以外の職種においても、未経験でも安心してチャレンジできる環境だと思います。

自分の「武器」を見つけられるのが働く醍醐味。目指すは人の成長をサポートする存在 

──今後の櫛田さんの目標を教えてください。

企画から完成まで責任を持って進行できるようになるのが一番の目標です。「この部分は櫛田に任せれば大丈夫」と頼られる存在になりたいです。

そして、今の制作係には後輩がいないため、ぜひ新しい仲間に来てほしいと願っています。

後輩が入ってきた際には、私が上司にしてもらったように、今度は私が人の成長をサポートできる存在になりたい。手取り足取り教えるのではなく、要点は抑えつつも余白を残し、自分で考えてもらうような教え方で、後輩の成長をサポートしたいです。

自分の成果を出すだけでなく、人の成長をサポートできるよう、私自身も成長していきたいです。

──最後に、就職活動を控える学生の方へメッセージをお願いします。

社会人になるにあたって、アルバイトとは違う責任感の重さや、将来への漠然とした不安、プレッシャーを感じる方も多いと思います。私も就職活動中は、まさにそうでした。

実際に働いてみて分かったのは、新しい環境に飛び込むからこそ、まだ見ぬ自分の強みを見つけるチャンスがあるということです。

私自身、デザイン経験が全くない状態からのスタートでしたが、新しい環境に入ったからこそ上司からプロのスキルを学び、デザインという新たなスキルを身に着けることができました。スキルを自分の武器として得られるのは、社会人として働くからこその醍醐味だと思います。

働くことで「新しい経験を自分の成長に繋げられる」という希望を持って、前向きに頑張ってほしいです。

八幡物産には、未経験の人でも真摯に受け入れて、着実に成長につながる仕事を任せてくれる環境があります。八幡物産で一緒に働けることを楽しみにしています。

(取材:大久保 崇 編集:成田愛恵 執筆:なこてん)

鳥取県と島根県に23店舗の食品スーパーマーケット「まるごう」を展開する株式会社丸合は、地域住民の「毎日のふだんの生活」を支えています。

今回お話を伺ったのは、入社11年目で人事部に所属する上田 亜寿沙(うえだ あずさ)さん。「スーパーマーケットの仕事は、意外と多岐に渡るんです」。そう話す上田さんに、地域に根ざしたスーパーマーケットにはどういった仕事があるのか、社員のキャリアパスや今後の展望などについてお聞きしました。

人事部 採用・能力開発グループ 上田 亜寿沙(うえだ あずさ)さん

まるごうで働く母の勧めを受け、株式会社丸合に入社。店舗でレジ業務を経験後に、人事部 採用・能力開発グループへ異動。採用担当者として、会社の魅力を伝えたり、入社後のフォローをしたりしている。

母の勧めで入社した丸合は、“第二のお母さん”に囲まれたアットホームな職場だった

──まずは丸合の事業について教えてください。

当社は1954年に創立し、山陰両県に23店舗の食品スーパーマーケットまるごうを展開する会社です。「食」を通じ、地域のお客様の「毎日のふだんの生活」を支えるパートナーとして、スーパーマーケットの事業を行っています。

──上田さんは、どのような経緯で丸合に入社されたのですか?

当時、丸合で働いていた母に勧められたことが入社のきっかけです。幼少期から祖父母や両親に連れられてまるごうで買い物していたので、地元で働きたいと考えていた私にとって馴染みある企業で働けることはうれしかったです。4〜5年ほど店舗で勤務したあとに、人事部へ異動し現在に至ります。

最初は正社員ではなく、自分のライフスタイルに合わせて働くパートナー社員として入社し、レジなど基本的な店舗業務を経験。当時の働きぶりが良かったのか、店長から「正社員として働いてみないか」とお声かけいただき、正社員になりました。

──お母様が「娘に入社を勧めたい」と思える職場だったのでしょうね。実際の職場の雰囲気はどのように感じましたか?

店舗で働き始めたとき、とても温かい職場だと感じました。当社の社員はパートナー社員・正社員を含めて1,290名程度おりますが、店舗には幅広い年齢のパートナー社員がかなり多いです。仕事に不慣れな私を優しく包み込んでくれる、お母さんのような人ばかりでした。元気な学生アルバイトさんもいて、明るくて優しいアットホームな場所でした。

ちなみに当社はお互いを役職名ではなく、「さん付け」で呼び合うんです。役職は「身分関係」ではなく「役割関係」と考え、お互いを尊重しあう社風が根付いています。人事部に異動した後も、温かい雰囲気は変わりませんでしたね。

レジに品出し、営業企画。スーパーを毎日“当たり前”に運営する、その裏側

──11年勤めてこられて、印象に残っていることはありますか。

やはり入社したてのころの仕事、レジ業務が印象に残っています。レジ業務は直接お客さまと接する仕事なので、「あなたの接客がよくて毎日買い物に来ている」「あなたの笑顔に助けられているよ」という言葉をいただくこともありました。

実は今でも繁忙期には店舗に入ってレジ業務を手伝うことがあるんです。先日も、店舗勤務時代によくお話ししていたお客さまが私のことを覚えていてくれて、「久しぶり」と声をかけてくださいました。店舗を離れてから何年も経っていたので、覚えていてくださったことに驚きと同時にうれしさがこみ上げました。

──お客さまと接するお仕事だからこそのやりがいですね。スーパーマーケットのお仕事は表に見えているレジや品出し業務以外にも、他にどういった仕事があるのか教えてください。

青果、水産、食肉の部門では、食材をカットしたり袋やパックに詰めたりなどの加工をして新鮮な食材がお客さまに届くようにしています。デリカ部門ではお弁当やお惣菜を作っています。その他にも扱う食品によって部門が分かれていて、「自分が関わった商品が売れることがやりがい」と話す社員も多いです。

──現在の上田さんのように、本部で働かれる方々はどのようなお仕事をされているのでしょうか。

本部のお仕事も多岐に渡ります。市場で生鮮食品を買い付けたり売り場のレイアウトを考えたりする商品部、イベント企画やチラシ作りなどをする営業企画部など、さまざまな本部部署が店舗と連携しています。

──私たちの想像以上に多くの仕事があり、まるごうが運営されているのですね。どのような段階を経て、お仕事(の幅)が広がっていくのでしょうか。

まずは現場を知るためにも、入社後は店舗勤務からスタートしていただきます。経験を積んだ後に、店長として店舗の責任者となる方や本部へ異動する方もいます。定期的に面談を実施しているので、自分が描くキャリアを伝える機会があり、誰にでもチャンスがめぐってくると思います。

組織の成長が社員の人生を豊かにするという考えのもと、2年ほど前に人事制度が改定されました。正社員に対してだけでなく、パートナー社員の方も店舗チーフを目指せるようになるなど多様な働き方が生まれ、生き生きと働かれる方が増えました。

店舗で身につけた「聞き役」の習慣が、人事の仕事でも活きている

──上田さんが人事部でどのような業務を担当しているのか教えてください。

私は社員採用と採用後の定着フォローを任されています。特に入社直後の新入社員は不安だらけの日々を過ごしているので、私が過去に店舗勤務していたときの体験などを交えてコミュニケーションをとってケアしています。当社に入社してくださった方々が活躍できるように、人事部として社員の不安を解消できたらいいですね。

──店舗勤務から大きく仕事内容が変わり、戸惑うことや難しく感じたことはありませんでしたか。

新卒採用においては採用活動の正解が分からないなかで、インターンシッププログラムを作ることが難しかったです。店舗の社員にヒアリングしたり先輩に助けていただいたりしながら形にすることができました。

ただ、社員とコミュニケーションをとることに関しては、店舗勤務時代から自然とできていたかもしれません。困っている方がいたら「聞き役」になることが習慣化していました。サポートする対象がお客様やまわりの社員から、当社に入社された方に変わっただけで本質は変わらないと思います。

人の細やかな部分にまで目を配れることが私の強みだと思うので、強みを活かせる場所に異動できたことが私のキャリアのターニングポイントだったと気づきました。


多部門を経験したり、ひとつの道を極めたり。多様な働き方があるスーパーマーケットの仕事を知ってほしい

──上田さんの今後の展望を教えてください。

採用担当として学生さんに企業の魅力を伝え、当社に入社したいと思っていただけるようにしたいです。まずは採用ホームページを充実させたり、企業説明会で魅力をお話ししたりすることから始めています。

また、今後はSNSにも力を入れたいと思っています。多くの学生がSNSを就職活動にも活用していると知り、変わりゆく時代の変化に合わせて採用方法もアップデートしていきたいですね。

──最後に、就職活動中の学生へメッセージをお願いします。

多くの人にとって身近な存在であるスーパーマーケットですが、意外なお仕事もたくさんあります。店舗でさまざまな部門を経験する方もいれば、本部人事部といった店舗をサポートする部署など幅広い職種を経験することができます。想像以上に楽しい仕事が待っていますので、ぜひ一緒に働きたいなと思います。

そして、社会人になることは不安かもしれませんが、安心してください。かつて私もお札の数え間違いで大きな赤字を出してしまったり、なかなかギフトラッピングが覚えられなかったりと失敗してきました。ですが、まわりの先輩のサポートのおかげで乗り越えることができました。私が先輩に助けていただいたように、今度は私が新入社員のみなさまをサポートしたいと思っています。


(取材・編集:大久保 崇・執筆:儀賀 千春)

山陰地方を中心に26の高齢者施設を運営する日翔会。「自らが受けたいと思う医療と福祉の創造」を理念に掲げ、利用者様が安心して日常生活を過ごしていただけるような介護サービスを提供しています。

今回お話を伺ったのは、介護職の澁谷 早紀(しぶたに さき)さん。認知症専門棟に勤務するチームのリーダーとして新入職員の教育に励んでいます。入職当初は介護の知識がなく不安も多かった彼女ですが、先輩の丁寧なサポートと資格取得制度を活かして成長し、今ではチームの頼れる存在として活躍しています。

介護の現場では、生きるうえで大切な考え方を教えてもらうことが多いと語ります。利用者様との関わりの中で、人生の尊さに触れながら学びを得る澁谷さんの姿から、日翔会の現場の雰囲気と働く魅力をお伝えします。

介護職 澁谷 早紀 (しぶたに さき )さん

実家で祖父母と暮らした経験から、ご高齢者と関わる職種に興味を持ち、大学卒業後に日翔会へ入職。働きながら資格取得制度を使って介護福祉士を取得。現在は、上司とともにケアマネジャーの資格取得を目指す。休日は友人とドライブや映画に行き、リフレッシュをしている。

24時間365日、人生を豊かに過ごしてもらうためのサポート

──まず日翔会について教えてください。

日翔会は医療福祉事業を行っており、自宅での生活が難しくなった方の生活全般を支援する入居型の施設や、生活の一部を支援する通所型の施設などを運営しています。

──澁谷さんの現在の業務内容についても教えてください。

私は介護老人保健施設で、介護が必要なご高齢の方が一時的に入居し、在宅復帰を目指してリハビリや医療ケアを受けられる施設に勤務しています。認知症専門棟でリーダーとして新入職員の教育をしながら、利用者様の食事やお風呂などのお手伝いをしています。

──入居型施設ということは、24時間体制でのサポートになるのですね。

そうですね。チームの中で日勤と夜勤に分かれて勤務しています。日勤は、利用者様が生きいきと過ごせる時間の提供を大切にしています。ご家族との面会や病院などの予定に合わせて動きつつ、食事やお風呂のお手伝い、さらには全員でのレクリエーションや、散歩や将棋など、一人ひとりの趣味に合わせた時間を作ることもありますね。

夜勤は、安心して夜を過ごしていただける環境づくりがメインです。朝晩の食事のお手伝いに加え、眠れない方がいらっしゃれば枕元でお話をし、体調が悪い方がいたらすぐに駆けつけます。日勤帯は医師や看護師が常駐していますが、夜勤帯は介護職員が医師に電話をつなぎながら一次対応をするので、特に気持ちが引き締まります。利用者様が就寝されている間は、掃除や事務処理などを行っています。

楽しい雰囲気は連鎖する。明るいチームで働く介護の現場

──介護職に就こうと思ったきっかけを教えてください。

実家が二世帯住宅だったのですが、祖父母の日々の変化に気づいたり、お手伝いしたりする中で、自然とご高齢の方の力になりたいと思ったことがきっかけです。学生時代の高齢者施設でのボランティアを通して、ご高齢の方が笑顔になる様子が実家での自分の経験と重なり、改めて「介護の仕事がしたい」と感じました。

──数ある介護施設の中で、日翔会を選ばれた理由はなんでしょうか。

日翔会のインターンシップに参加したときに、介護職員のみなさんが朗らかに利用者様と接していたのが印象的だったからです。双方が一緒になって楽しそうに過ごされていて、ここなら心の通った介護ができると思いました。

あと私は、介護とは関係のない大学に通っていたため、就職のタイミングでは介護資格を1つも持っていなくて。なので、資格取得のサポートがとても充実していたのも魅力的でした。入職後、働きながら施設内で開かれる勉強会に参加し、介護福祉士の資格を取得しました。

福利厚生も整っていてワークライフバランスがとりやすいです。なので、子育てをしながら働く方や、子育てがひと段落してパートで働く方と、さまざまなライフスタイルの方が働いています。

──実際に働いてみて、澁谷さんが感じている現場の雰囲気を教えてください。

入職前に思っていた通り、職員のみなさんがとにかく楽しそうに働いているなと、日々感じています。そんな中で、私もレクリエーションや行事を通して、利用者様と一緒に楽しみながら仕事をさせてもらっています。

チームワークもとても良く、体調不良で急に休まないといけなくなったときも、「お互いさまだよ」「どうにかなるから気にせずゆっくり休んでね」と、みなさん優しくて。とても、居心地の良い職場だと感じています。

かつて悩んでいた自分が、新人の背中を押せる存在へ

──澁谷さんご自身も入職当初と比べて成長したと感じることはありますか。

周りの様子を見ながら自分がどう動くべきか判断し、周りと協力して仕事を進められるようになりました。

最初はとにかく自信がなかったんです。そんな自信の無さが仕事にも表れていたのか、利用者様も不安になられて「ベテランの職員さんにお願いしたい」と申し訳なさそうに言われたことがあります。自分はこの仕事に向いていないのだと落ち込みました。

そんなとき、先輩から「最初から完璧な人なんていないから、一つずつできるようになれば大丈夫」と励ましていただいたんです。上司や同僚に何度もアドバイスをもらいながら、少しずつできることを増やしていきました。

──今では教育担当を任されている澁谷さんも、そのような葛藤を抱える時期があったのですね。

そうですね。当時の私と同じように悩んでいる人に、これまで自分が教わってきたことを思い出し、初心に返りながら成長の手助けをしていきたいと思っています。

自分が今まで培ってきた知識と技術を伝えることで、新入職員のできることが増え、楽しそうに仕事をしている姿を見るとやりがいを感じます。

後輩に何かを教える際は、相手の仕事の覚え方によって伝え方を変えるように意識しています。例えば、仕事内容を実際にやりながら身体で覚えるのではなく、マニュアルを読む方が覚えやすいという新入職員がいました。その方には、1日の流れのような仕事内容や利用者様全員の特徴などをメモに書いて渡して、インプットしてほしいことを先に覚えてもらうようにしました。

嬉しかったのは、2年目になった今も、いまだにそのメモを大切に持っていてくれていることです。しっかり仕事を覚えてくれたことは当然嬉しいことですが、そのメモが、今でもその方の役に立っているのを見ると、その方に合わせた伝え方が大事なのだと実感しています。

自分の手助けが誰かの生活の一部に。心が触れ合う介護の仕事

──仕事をしていてどのようなときにやりがいを感じますか。

2つあります。声のかけ方次第で、利用者様の生活を心地いいものに変えられたときと、利用者様の生活において欠かせない存在になれたと実感したときです。

たとえば、お風呂の時間。私たちの施設では、昼食後にお風呂に入ります。ご自宅で生活されていたころ、夕食後に入浴する習慣があった方などは、日中に入りたくないとこぼされることもあります。

そこで、「お風呂に行きましょう」ではなく「お風呂から上がったらお茶と和菓子が待ってますよ」と工夫してお声がけすると、「それなら入ろうかな」と腰をあげてくださるんです。湯船に浸かって歌を口ずさまれる姿を見ると、気が進まなかった時間を楽しいひとときに変えることができたと感じられて嬉しいです。

また、認知症状があるにもかかわらず、私のことを覚えてくださることもあります。本当は介護を受けずに自分で対処したいと思われる場面でも、「あなたにならお願いしたい」と信頼してくださると 、自分の存在が生きる支えになっていると感じられてやりがいになります。

──利用される方一人ひとりに向き合っているのですね。だからこそ見えてくる介護の魅力もありそうです。

そうですね。これまでの人生を過ごす中で培ってきた「その人らしさ」に触れるのが好きなんです。利用者様と接していると、その人ならではの人生の軌跡がふと垣間見える瞬間があります。

裁縫の仕事をされていた方であれば、いまもとても上手に編み物をされますし、国語の教師をされていた方であれば、豊かな表現で日記を書かれます。それぞれが歩んできた物語をみているようで、とても興味深いです。

──利用者様と関わる中で、特に印象に残っているやりとりはありますか。

こちらがサポートするばかりでなく、利用者様からも教えていただくことがすごく多いと感じます。身近なところでいえば、子育ての方法や、生活の知恵などをご自身の経験をもとに教えてくださいます。

それだけでなく、日々の出来事を心に刻みながら生きることの大切さを教えてもらいました。とある利用者様で、認知症の症状が進み、旦那様の名前もわからなくなってしまったという方がいらっしゃいました。でも、名前はわからなくなっても、旦那様やお子様との思い出はしっかりと記憶されていて、ある日その話を語りながら涙を流されたことがあって。

その様子を見て、本当に大事な思い出は記憶から消えずにいつまでも心の中に刻まれているんだと、私も涙がにじみました。私も、日々大切な人たちと一緒に元気に過ごせていることを、大切にしなくてはと思います。

目標はケアマネジャー。現場から全体支援へ、キャリアアップの道

──澁谷さんの将来の目標を教えてください。

現在は、上司である主任に憧れてケアマネジャーの資格取得を目指しています。将来は、要介護認定を受けて生活が不自由になったご高齢の方が、ご自身らしく生きていけるような介護計画を考える仕事をしたいです。

──最後に、就職活動生に向けてメッセージをお願いします。

介護は「してあげる」仕事ではなく、「ご高齢の方の生活の中に自分たちが関わらせていただく」仕事です。誰かの人生に寄り添える、とてもやりがいのある仕事だと感じます。興味がある方は、インターンシップなどで実際に職場の雰囲気を体感して、自分にあった職場を探してみてください。

また、社会人になると生活リズムの変化やライフイベントで友人と会ったり好きなことを勉強したりする時間はどうしても取りづらくなります。学生生活を最後まで目一杯楽しんでくださいね。

(取材、編集:大久保 崇・執筆:赤羽 エリ)