鳥取県の地元密着型企業として、エネルギー・ハウジング・観光に関する幅広い事業を展開する日ノ丸産業株式会社。入社4年目の森田修平(もりた しゅうへい)さんは、ガス部門の高圧ガス課に所属し、病院や工場などに産業・医療用ガスを届けることで地域を支えています。 学生時代まで野球一筋だった森田さんが、なぜこの仕事を選び、どのような思いを持って働いているのか。「お客様に顔を覚えてもらい、頼ってもらえる存在」を目指す森田さんに、日ノ丸産業で働く日々や、これまでの歩みについてお聞きしました。

鳥取支店高圧ガス課 森田 修平(もりた しゅうへい)さん

鳥取県出身。関西の大学へ進学し、卒業後は地元である鳥取県に戻って日ノ丸産業へ入社。幼少期から大学まで野球に打ち込み、培った体力と粘り強さを仕事にも活かしている。入社後は高圧ガス課に配属され、産業用ガスを担当。地元企業へのガスの配送や設置を通じて、地域産業を支えている。

工場から病院、スーパーまで──「産業・医療用ガス」を通じて鳥取県を支える仕事

──まずは日ノ丸産業について教えてください。

日ノ丸産業は1952年に創業以来、「まちにやさしく、ひとにやさしく。」のキャッチコピーのもと、ハウジング・ガス・石油・観光の4部門で地域に密着した事業を展開している会社です。

近年は脱炭素時代に向けて、CO2排出削減や気候変動対策といったSDGsを意識した取り組みを強化しています。ガス・石油の安定供給に加え、太陽光発電や燃料電池など創エネ事業にも積極的に取り組んでいます。

──多様な事業を展開しているのですね。そのなかで森田さんはどのようなお仕事をされているのですか。

ガス部門の高圧ガス課に所属し、主に産業ガスの配送・設置を主に担当しています。また、産業ガスと一緒に使用する周辺機器の営業も行うこともありますね。

「産業・医療用ガス」とは、工場や建設現場、病院、スーパーなどさまざまな“仕事の現場”で使われるガスの総称です。例えば、金属を溶接するためのアルゴン、食品の鮮度を保つための窒素、医療現場で使われる酸素など、用途はとても幅広いです。

僕たちの身近にある車や家電、建物、さらには医療サービスまで、多くのものが産業ガスに支えられています。入社前までは聞き馴染みがありませんでしたが、社会やものづくりに欠かせない存在なんですよ。そうした産業・医療用ガスを地域企業や医療機関の元に配送し、設置して使える状態にしています。

──森田さんはなぜ日ノ丸産業に入社されたのでしょうか。

生まれ育った鳥取県を、陰で支えられる仕事だと知ったからです。

大学進学を機に県外に出たので、正直なところ鳥取県に戻って就職するかどうか悩んでいました。ですが、地元を離れたからこそ鳥取県の人の温かさなどが改めて分かり、地元に戻って鳥取県を支える仕事に就きたいと思ったんです。そんなときに、日ノ丸産業とつながりのあった父をきっかけに会社を知りました。ここなら、直接ものづくりや医療を提供するわけではなくても、鳥取県の暮らしを支えられると思い入社を決めました。

自分が運んだガスで救われる人がいる。日々の仕事の先にある確かな社会貢献

──実際に入社してから、お仕事を通じて「暮らしを支えている」と感じる瞬間があれば教えてください。

たとえば病院であれば、酸素ボンベが患者さんの治療に使用されますし、工場や建築現場ではものづくりを進めるためにガスが欠かせません。あらゆる産業の場で必要とされるガスを届けることで、「産業活動が成り立っているんだ」とやりがいを感じます。

ガスは正しく扱えば社会に欠かせない存在ですが、取り扱いを誤れば事故につながるリスクもあります。だからこそ、ガスの状態確認やバルブの開け閉めなど、一つひとつの工程を丁寧に行うことが欠かせません。緊張感を伴う仕事ではありますが、社会にとって必要不可欠な仕事ができていると思います。

──日々、仕事をするうえで大切にしていることについてもお聞きしたいです。

お客様と丁寧にコミュニケーションをとり、信頼関係を築くことです。季節商品の販売時期には必ずチラシを持って伺い、世間話を交えながら近況をお聞きします。そんな日々の小さな会話の積み重ねが、「何かあれば森田に相談しよう」と頼っていただける関係性を作ると考えています。

こうしたことを心がけられるのは、学生時代に打ち込んでいた野球のおかげです。同じ目標に向かうチームメイトや、その周りで支えてくれる大人たちとの関わりの中で、人間関係の大切さを理解していたので、仕事で関わる方とも同様によい関係を作りたいと思っていました。

ただ、仕事では「野球」のような共通の話題があるわけではありません。目の前のお客さま一人ひとりをよくみて、「どんなことに関心があるのか」を探り、それぞれに合わせたコミュニケーションを意識しています。

地域の“当たり前”を支える、高圧ガス課の1日

──産業用ガスの配送・設置だけでなく営業的な動きもあるとのことですが、1日の流れについて教えてください。

僕を含めた3〜4名で鳥取県東部エリアを担当し、感染症が流行する時期には病院へ医療用ガスを週に何度も配送するなど、いろんな配送依頼に対応しています。

午前中はさっそくガスの配送を始め、12時くらいにお昼休憩をとるために会社に戻ります。午後からまたガスの配送を再開し、夕方くらいにすべての配送を終えます。その後は伝票処理や発注作業、見積書の作成などの事務作業をして退勤という流れですね。

──鳥取県の企業を先輩方と一緒に支えているのですね。職場の雰囲気はいかがですか。

僕が所属している高圧ガス課は、他部署と比べると男性が多くて年齢層も若く、和気藹々とした雰囲気がありますね。冗談を言ってふざけるときもあれば、仕事のときは真面目に取り組む。そんなメリハリのある職場です。

午前中の配送を終えて事務所に戻ると、自然とみんなで食べることが当たり前のような温かい空気感があります。ほぼ毎日お昼ごはんを一緒に食べていて、先輩と過ごすお昼休憩の時間も楽しいですよ。

また、部署を超えた横のつながりも強いと思います。事務所の場所は部署ごとに違いますが、新入社員が研修で全部署を約1ヶ月ずつ体験する機会があるなど、部署間の垣根が低く、フラットに話しやすい関係ができています。さらに、全社一丸となって取り組む展示会など集まる機会も多く、横のつながりが強化されているように思います。

この連携の強さは、仕事のしやすさにつながっていると感じます。たとえば、最初は法人のお客さまとして高圧ガス課が担当していた企業の方が、日頃から丁寧にコミュニケーションをとり信頼関係を築く中で、その後に個人として家庭用ガスやリフォームの相談をくださることもあって。そういった際に他部署とスムーズに連携し、お客様の幅広いニーズに応えやすい関係性があるのはありがたいです。

目の前のことに全力で取り組んだ先に、「自分に合う仕事」が見つかる

──森田さんの今後の目標はありますか?

ガスそのものの知識はもちろんですが、ガスの周辺機器についての理解もさらに深めていきたいです。お客さま側の機器に不備があれば対応を任されることも多く、状況に合った適切なサポートを行うためには、幅広い知識が欠かせないからです。

産業用ガスの場合は「ガスと一緒に使うもの」が無限にあります。たとえば工場現場で溶接の際に使用されるワイヤーやフェイスシールドなどです。病院と工場ではガスの使い方や周辺機器がまったく違いますし、技術の進歩によって新しい機器も次々に登場します。だからこそ、常に勉強が必要だと感じています。

──最後に、就職活動中の学生へメッセージをお願いします。

就職活動中は「自分のやりたいことってなんだろう」と迷う瞬間がたくさんあると思います。そんなときこそ、目の前に偶然現れたことや少しでも気になったことに全力で取り組んでみてください。体験してみないと分からないこともありますし、その過程で自分の価値観や考え方が変化していくかもしれません。

僕は学生時代まで野球一筋で過ごしてきたので、野球以外のことをして過ごす日々がどんなものか想像がつかないときもありました。ですが、練習と同じ様に目の前の仕事に取り組んでいったことで、次第に今の仕事が自分に合っていると感じるようになったんです。

日ノ丸産業には多様な部署があり、研修期間に各部署を体験してから希望部署を伝えられます。ですので、やりたいことが明確な方も、いろんな経験をしてみたい方も、まずは気軽に話を聞きにきてください。一緒に働ける日を楽しみにしています。

(取材・編集:大久保 崇・執筆:儀賀千春)

1982年に設立してて以来、エレクトロニクス分野の進化を支える企業として、高品質なものづくりを追求し続ける鳥取スター電機グループ。製造拠点である「株式会社鳥取スター電機」、「SHINKO株式会社」、研究開発や設計を担う「鳥取コスモサイエンス株式会社」の3社が連携し、開発設計から納品までを自社グループ内で完結できる仕組みを確立しています。

多くの人が何気なく使用する電子機器ですが、その製品が完成するまでの過程はあまり知られていません。今回お話を伺ったのは、回路設計に従事する鳥取スター電機グループ入社2年目の児玉 弦太朗(こだま げんたろう)さん。

「回路設計の仕事は『トライアンドエラー』の連続なんです」

そう語る児玉さんに、設計の仕事の裏側、若手社員が感じる職場の雰囲気、技術者として今後目指す姿などについてお聞きしました。

鳥取コスモサイエンス 技術部 回路設計課 児玉 弦太朗 さん
鳥取県米子市出身。米子工業高等専門学校卒。学生時代には電気回路やプログラミング、電子工学などを幅広く学び、技術者を志す。鳥取スター電機グループに入社後は、技術部の回路設計課に配属される。現在は車載機器の回路設計を担当している。

設計開発から組立管理まで。グループ内で完結する一貫生産体制が強み

──まずは鳥取スター電機グループについて教えてください。


鳥取スター電機グループは、車載機器や美容機器などの電子機器を製造するOEM企業です。1966年の創業以来、時代のニーズに応じて幅広く製品開発を行ってきました。主力製品であるドライブレコーダーは業界トップシェアのメーカー様に納品しており、日常生活で何気なく使っているものが、実は弊社の製品だったなんてこともあるかもしれません。

また、弊社は設計、開発、製品組立や品質管理まですべてが自社グループ内で完結する「一貫生産体制」を実現しており、効率的に製品を作ることも特徴のひとつです。

──その中で、児玉さんはどういった業務を担当されているのでしょうか。

僕は開発や設計を担う部門で、回路設計をしています。設計したら試作品に不具合がないか確認し、不具合があれば設計し直してもう一度実験……と、ひたすらトライアンドエラーを繰り返しています。開発内容によりますが、1つの製品が完成するまでに1年以上かかることが多いですね。

「仕事は準備が8割」入社1年目に先輩から学んだ、技術者としての基本

──仕事をしている中で、どういったときに面白さややりがいを感じますか。

大変なこともありますが、不具合の原因を突き止めて、解決できた瞬間にとても達成感があります。

回路設計は予定通りにいかないことの連続で、たくさんの不具合が発生します。その原因がどこにあるのか、複雑な回路の中から探し出すのは骨の折れる作業です。知識があったとしても、実際に特定するためにはコツコツとした積み重ねが必要なので、不具合の原因を発見できた時点でも達成感があります。

そこから調整や検査を行い、電圧や電流に異常があれば目的の数値に正していきます。これがなかなか一筋縄ではいきません。計画通りにはなかなか進まないですが、続けていくと数値がぴったりとはまる瞬間があるんです。

その瞬間は自分の成長を実感できますし、自分が動かした回路が目的通りの性能を発揮して、不具合の修正につながったと思える。これが一番楽しい瞬間ですね。

──これまでのご経験のなかで、特に印象的なエピソードなどあればお聞かせください。

入社1年目で、初めて実車試験のメイン担当になったときのことです。僕は安全運転をサポートする機器の回路を作っているので、実際に車に乗って機器の品質検査をすることがあります。

初めてだったので、機器の準備、設定、試験の時間帯や場所など、実験の計画を入念に立てました。ですがいざ現場に着いてみると、想定外のトラブルが次々と起こってしまいました。結果的に検査は無事終わり必要なデータはきちんと取れましたが、自分の思っていた計画通りにはいかず力不足を痛感しました。

この件を先輩に報告した際、具体的なアドバイスとともに、「仕事は準備が8割」という言葉をいただきました。それからはこの言葉を教訓とし、一つひとつの準備工程をより細かくクリアにすることを意識にしています。

こうした経験があったからこそ、様々な業務においてやり直しやミスを防げる仕事ができるようになれたと思います。実際、先輩から実験や検査を任されることも増えて、初めての実車実験で学んだことが、確実に今の自分を支えていると感じています。

──実際に道路を走行して検査するなど、現場での作業もあるのですね。

そうなんです。「回路設計」という言葉を聞くと、パソコンで作業したり机で図面を書いたりと、黙々と作業するイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、そうではありません。とにかく実物を触って手を動かして確かめています。デスクワークより「工作」と言った方が実態に近いですね。

しかも、その工作をひとりで黙々と進めるのではなく、先輩たちとフランクに話し合いながら進めています。「今の性能はよかったね」「ここの回路を変えたら、もっと性能がよくなるんじゃないですか」と協力しながらものづくりを進める毎日は想像していなかったので大きなギャップでしたし、とてもおもしろいです。

先輩たちと密にコミュニケーションしながら仕事をする日々

──日々どのようなスケジュールで1日過ごしているのでしょうか。

8時20分の始業に合わせて出勤し、毎朝ミーティングをしてから業務に入ります。10時までは書類作業やメール対応などの事務作業を片付けます。

10時に小休憩をとったら本格的に回路設計の業務にあたります。回路を検査して不具合がないか確認したり、検査結果を踏まえて回路に反映させたりしていきます。基本的には先輩と密にコミュニケーションをとりながら回路設計しています。12時にお昼休憩、15時に小休憩を挟みつつ、定時の17時20分まで設計を続けています。

量産する時期には予期せぬトラブル対応などで1〜2時間程度の残業が発生することもありますが、基本的に少ないです。業務上、多くの人と連携する必要があるので、基本的には人が揃っている定時内に設計することが当たり前になっています。

──周りの人と対話を重ねながら仕事を進めるのですね。職場の雰囲気はいかがですか。

風通しがよい職場だと思います。優しく丁寧に教えてくださる先輩ばかりで、部署や担当機種に関わらず「今こんなことで悩んでいる」と相談すると、一緒になって取り組んでくれます。

ある日、僕が担当する回路を検査していると、回路だけではなくソフトウェアも関係する不具合を見つけたことがありました。先輩から「ソフトウェア設計の人に直接相談してみるといいよ」と言われ戸惑いながらも伺うと、不具合の症状を見ながら「ここを修正したらいいんじゃないかな」と話し合って修正することができました。部署が違ってもフランクに話せる関係に驚きました。

どんな経験も無駄にならない。鳥取スター電機グループには、幅広く学んだ知識が生きる瞬間がたくさんある

──そもそも児玉さんが鳥取スター電機グループに入社を決めたのには、どのような理由があったのでしょうか。

一貫生産体制が整い、開発や設計に関するさまざまな部署を持つ点に魅力を感じたからです。学生時代には米子工業高等専門学校で電気回路やプログラミング、工学など幅広く学んでいたのですが、正直なところ自分がどの分野の仕事に就きたいのか分からなかったんです。鳥取スター電機グループであれば、キャリアの選択肢を狭めることなく、自分に合った仕事を見つけられると思いました。

入社してから各部署の仕事を経験し、納得したうえで希望職種を決めることができました。新入社員の職種希望をできる限り尊重する体制が整っているので、焦らずじっくりと自分がやりたい仕事を見つけられるはずです。

──さまざまな部署があるからこそ、自分がやりたい仕事を見つけられるんですね。児玉さんがこれから挑戦したいことはありますか。

まずは担当している回路設計の知識をしっかり身につけて一人前になりたいです。そのうえでソフトウェアの知識も蓄えて、回路設計とソフトウェアの両方の観点を持って開発できる人になりたいと思っています。

資格取得に励んだり会社の資料を読んで「こんな部品やプログラムがあるんだ」と学んだり、ソフトウェア担当の方とお話しするなかで教えていただいたりと、いろんな形で日々勉強しています。

また、弊社には長年にわたってさまざまな電子機器を開発するなかで蓄積された設計ノウハウがあります。そうした技術を吸収して成長していきたいですね。


──最後に、就職活動中の学生へメッセージをお願いします。

就職活動や学業をがんばるなかで、ときには自分がやっていることに対して「本当にこれでいいのかな」と不安に思う日があるかもしれません。でも、自分の学んだことがきちんと生きていく瞬間が必ずあるので、そのまま精いっぱい取り組んでみてください。

実際に社会人になってから、学生時代に授業で学んだ知識を実務で使ったり、趣味で触れていたプログラミングがソフトウェア担当の方と相談するときに役に立ったりすることがあります。そういう瞬間に「あの経験がここにつながるんだ」と驚くんです。どんな経験もどこかで糧になると信じて、挑戦することを大事にしてください。

(取材:大久保 崇・執筆:儀賀千春・編集:成田愛恵)

山陰地方を中心に65の支店を持つ鳥取銀行。人口減少・少子高齢化が進むなか、持続的な社会を維持するために、さまざまな切り口で地元企業の発展を支えています。2024年には、海外進出支援の一環として、地元企業16社の海外展示会への出展を実現しました。

今回お話を伺ったのは、本店営業部 部長代理の岡﨑 匡(おかざき まさし)さん。海外展示会出展プロジェクトのリーダーも務めました。成功に導けたのは、2度の出向など多様な経験を積んでいたからだと語っています。

入行11年目の岡﨑さんが大切にしているのは、「自分らしさを大切に働くこと」。人との関わりと多様な経験の中で得た学びを通して、鳥取銀行で描くキャリアのイメージをお伝えします。

本店営業部 部長代理 岡﨑 匡(おかざき まさし )さん

大学では化学を専攻するも、人と関わる仕事がしたいと鳥取銀行へ入行。本店営業部にて、法人営業を担当。2度の出向を経て、台湾・香港で行われた展示会のプロジェクトリーダーを務める。仕事のコミュニケーションでは「聞く姿勢」を大切に、お客さまや部署のメンバーと信頼関係を築いている。

銀行の仕事とは、企業の成長を後押しし、経営者の想いに応えるもの

──まず、岡﨑さんは現在どのような業務を担当されているのかお聞かせください。

人と関わり、かつ影響力のある仕事をしたいと思ったためです。大学では化学を専攻していたので、学生時代は研究職に就く未来を想像していました。しかし、無機質な研究室で黙々と研究しているときに、人と関わりながら仕事をする方が向いていると気づいたのです。

身近に金融業界に進んだ先輩方がおり、大きな金額を動かして社会に貢献している姿に憧れて、自分もその一員になりたいと思いました。

──金融業界を志した理由は何だったのでしょうか。

人と関わり、かつ影響力のある仕事をしたいと思ったためです。大学では化学を専攻していたので、学生時代は研究職に就く未来を想像していました。しかし、無機質な研究室で黙々と研究しているときに、人と関わりながら仕事をする方が向いていると気づいたのです。

身近に金融業界に進んだ先輩方がおり、大きな金額を動かして社会に貢献している姿に憧れて、自分もその一員になりたいと思いました。

──どのようなときにやりがいを感じますか?

経営者が、なんとか会社や事業を存続させたいと願う気持ちを形にできたときですね。たとえば、事業継続のために工場を建て替えたいというご相談に対して、融資という形で資金を調達します。実際に工場が新しくなって感謝をしていただけると、自分の仕事が企業の前進に繋がったことを実感し、大きなやりがいを感じます。

ほかにも、日々経営者の方とお話をするなかで「技術への投資」や「社員に対する責任感」など、経営者目線の考え方を学ぶことができ、刺激をいただいています。

対話を重ねて築く信頼関係。働きやすさも進化する職場環境

──銀行と聞くと大事なお金を扱っているので、社内ルールなどかなり厳しい印象があるのですが、実際どのような環境で働いているのでしょうか。

とても風通しがよく、明るい職場だと感じます。行員数約800名のお互いの顔が見える規模感ということもあり、行員同士の距離が近く、部署を越えて意見を交わしています。たとえば、支店と本店が連携して商談をするなど、自然と横の連携が生まれています。

上司には部下を育てる意識のある方が多く、どんな些細なことでも相談に乗ってもらえます。私たちの仕事ぶりをしっかり見て正当に評価してもらえるので、やりがいを持って働けていますね。

頭取も、定期的に支店を回って行員と交流を図ってくださいます。私たちの意見にも積極的に耳を傾けていただけるので、「休暇を取りやすくしてほしい」というような要望も気兼ねなく伝えることができます。

──岡﨑さんは部内に後輩行員も多く抱える立場かと思います。ご自身は周りのメンバーとどのようなコミュニケーションを取られているのでしょうか。

何かあったら気軽に相談してもらえるよう、部署の若手行員と普段からコミュニケーションを取るように心がけています。一緒に仕事をするときは、自分の考えを一方的に伝えるのではなく、必ず相手の考えも聞くようにしていて。

世代の特徴に合わせてコミュニケーションの取り方も変えていく必要があると思っています。私が若手のころは、先輩の背中を見て仕事を学んでいました。ですが今の若手世代は、自身の価値観や意見を大事にしている人が多い印象です。ときには指示を出すことも必要だと思いますが、お互いの考えを尊重した着地点を探りながら議論をするようにしています。

──入行当時と比べて働きやすくなった点はありますか?

無駄な残業を減らす風潮が職場に浸透したと思います。有給休暇も人事部が積極的に取得するよう発信しているので、かなり取得しやすくなったと感じます。

引っ越しをともなう転勤の有無を選択できるようになったのも大きな変化ですね。以前まで、総合職は数年おきに転勤する可能性がありました。たとえば子どもが生まれたら育児に参加できるように引っ越しをともなう転勤をしない選択ができるので、家族との時間を大切にできるようになったと思います。

さまざまな現場を通して磨かれた、自分らしく挑戦する力と仕事への誇り

──入行してから今までで最も大きな仕事について教えてください。

地元企業の海外展示会出展を支援するプロジェクトで、リーダーを務めたことです。このプロジェクトは、売り上げ増加を目的に海外展開を目指す16の食に関わる企業が、現地のバイヤーとつながる機会をつくるために実施したもので、台湾と香港で行われた『食の見本市』に出展しました。

当時、鳥取銀行として初めての取り組みでしたので、全くノウハウがないなか、約1年間の準備期間を経て挑みました。現地では翻訳アプリを使いながら英語で商談をサポートした結果、無事に海外の小売店との販売契約を結べ、海外輸出ルートを作ることができました。

このプロジェクトを通じて得た経験は、今後また高い壁にぶつかっても恐れず挑戦できる自信につながりました。

(出典:https://www.tottoribank.co.jp/ir/financial/disc/mini/2024_9/4.pdf

──2回出向の経験もあるそうですが、その経験が活きたのでしょうか。

はい。今の自分につながるとても大切な期間だったと思います。

1社目のジェトロ(日本貿易振興機構)では、日本企業の海外への事業展開支援について学びました。2社目の三菱UFJ銀行では、外国為替の取引について学びました。これらの経験があったから、海外展示会のプロジェクトも乗り越えられたのだと思います。

──海外の企業や市場と関わる仕事に憧れる就職活動生も多いと思います。希望する職種に就くことはできるのでしょうか。

すぐには難しいかもしれませんが、自分の興味のあるキャリアを人事部に申告することができるので、可能性はあると思います。また、自分の持つスキルに関する資格を取るとプロフェッショナルと認定され、業務に活かせる制度もできました。

自分の目指すキャリアに挑戦できる人事制度の整備が進んでいるので、希望する仕事に向けてしっかりと自己研鑽を積んでいけば配属希望を叶えるチャンスはあると思います。

──お金の貸し借り以外にも多様な業務があるのですね。こうした様々な経験を積むなかで、仕事内容以外に学んだことはありますか?

新卒1年目から3年目までお世話になった上司は、「普通が一番」という言葉で、自分らしさを大切に仕事に向き合うことを教えてくださいました。周りの優秀な人と比べて気後れしたり、経営者の方を目の前にして取り繕ってしまったりするとき、「あなたにはあなたの良さがあるから、自分らしく振る舞えばいい」と励ましてくださったんです。今でもその言葉を胸に、自信を持って仕事に取り組んでいます。

また、三菱UFJ銀行への出向時にお世話になった上司からは、社会情勢に目を向け、自分で考えて仕事を進めることの大切さを学びました。 当時の私は、上司からの指示に従うばかりで自分の意見をあまり持たないタイプでした。しかし、その上司の教えを受けて、仕事でもプライベートでも情報を自ら収集し、自分なりに考えて行動することを心がけるようになりました。

──岡﨑さん自身が仕事をする上で、大切にされていることを教えてください。

自分の仕事にプライドを持つことです。仕事の手を抜くことは、関わっていただいているお客さまも軽んじてしまうことだと思います。 あとは、お客さまの対応は常にスピードを意識して取り組むこと、お客さまにより良いご提案ができるように自己研鑽に励むことも大切にしています。お客さまに誠実に向き合うための努力は惜しまないようにしたいですね。

自分らしさを糧に、誰もが誇りを持てる組織づくりを目指す

──岡﨑さんの今後の目標を教えてください。

ゆくゆくはこの銀行の経営企画に携わりたいです。日々進化している職場環境を、もっとよくしていきたいという思いがあります。行内をみていると、規模の大きい銀行と比較して自分の仕事は大したことがないと、仕事に自信が持てていない行員が少なくないと感じています。その方々が前向きに仕事ができれば、この銀行はもっと伸びていくと思うのです。

かつて私が入行当時にお世話になった上司から教えていただいた「普通が一番」の精神を持てれば、ありのままの自分に自信がつくのではないか。そうすれば、誰もが自分らしく仕事ができ、より仕事に誇りを持てるようになるのではないかと考えています。

──最後に、就職活動生に向けてメッセージをお願いします。

就職活動をしていると、他の人が輝いて見えてしまうかもしれませんが、ご自身ならではの魅力を大切にしてください。もし当行に興味を持っていただけるのであれば、現時点でのキャリアプランは漠然としていても大丈夫です。入行してから仕事を通じて自身の強みを再認識し明確になっていくことも多いと感じています。それよりも、自分に嘘をつかず、自分らしさを見つける経験を重ねていってほしいと思います。

(取材、編集:大久保 崇・執筆:赤羽 エリ)

株式会社ササヤマは1969年の創業以来、自動車や家電製品などの部品製造に欠かせない”プレス金型”の設計から加工、組立までを一貫して手がけています。国内外に拠点を持ち、グローバルな視点で挑戦を続けています。2025年現在の社員平均年齢は39歳と若さあふれる企業です。

今回お話を伺ったのは、入社4年目の秋田和徳(あきたかずのり)さん。専門用語に苦戦しながらも経験を重ねていく中で、今は仕事のやりがいを感じているのだそう。入社して感じた職場の雰囲気や今後の目標にいたるまで、ものづくりのリアルを語っていただきました。

技術部 設計課 秋田 和徳(あきた かずのり)さん

2022年新卒入社 設計課の解析担当。大学では工学部に所属し機械工学を学ぶ。学生時代はサイクリング部で自転車に夢中だった。社会人になってからは、休日に散歩するのが息抜き。

何度も繰り返すシミュレーションの先にあるやりがい

──プレス金型とは、どのような製品なのでしょうか?

金属の板を曲げたり切ったり、目的の形状に加工する専用道具のことです。身近なところだと、自動車や冷蔵庫、エアコンの室外機などの部品の製造に使われています。弊社では、そのプレス金型の設計から、加工、組立までを一貫して行っています

──秋田さんは設計課で具体的にはどのような業務をされているのですか。

設計課には”設計”と”解析”がありまして、私は”解析”を担当しています。

”設計”は、営業が受注した金型製品の図面をCADを使って設計します。”解析”は、 金型の設計前に金属の板がどのように加工されているのかをシミュレーションで確認して、加工途中に不具合が起こらない工程を設定して、それを設計担当者に渡すという仕事です。

分かりやすく例えれば、折り紙でウサギを作るとします。紙の特性も考慮しながら、どういう順番で折れば、想像通りのウサギができるかを何度も試す。というような作業をしています。実際は金属の板なので、伸びづらかったり、曲げたら割れてしまうという問題も発生します。その問題を早期に発見することがシミュレーションの目的です。

もう少し具体的なお話をすると、受注した際に完成形が分かる3Dモデルを共有してもらい、それを作り直してシミュレーションを実行、結果を確認するという作業をしています。問題が解消されるまで修正を繰り返しており、作業期間は短ければ三日ほど、長い場合は一ヶ月ほどかかることもあります。

──どのようなときに仕事のやりがいを感じますか?

シミュレーションで不具合を解消した瞬間ですね。 適当な設定だと、不具合がどうしても起こってしまうんですよ。「どうすれば不具合を解消できるか」という問題に対して、決まった解決策がないので、個別の解決策をそのシミュレーション上で考える必要があります。 シミュレーションで発覚した問題に対して、これまでの経験と知識を照らし合わせて問題を解消することが大きなやりがいだと感じてます

──「この時は大変だった」というエピソードがあれば、教えてください。

解析が全然終わらなかったことですね…。 加工が難しい形状の製品だったということもありますが、入社して2年目頃だったので知識も経験も少なかったんです。シミュレーションの結果はどこを見ればいいのか、どこをどのように変えれば効果的なのかが分かっていなくて。

──それをどのようにして乗り越えられたのですか?

同じ業務をしている先輩と経験が豊富な他部署の職人さんの2人と打ち合わせを行いまして、それで問題は一応解決しました。

圧倒的スケールに感動~入社後のリアル

──入社を希望された経緯をうかがえますか。

会社のホームページを見て、初めは何を作ってるのか分からなかったんです。でも、会社説明会に参加して、工場見学した際に、家ほどある謎の機械やベッドより大きい金属の板がたくさん並んでいるところを見て、そのスケールの大きさに感動したんですよね。

生産設備は普段見る機会もないですし、日常生活では見ることがないスケールがここにはあるので、興味を持ったというのがきっかけですね。

説明会で担当してくださった方がとても親切で、こちらの話もしっかり聞いてくれましたし、工場見学は隅々まで丁寧に案内してくれて、工場の雰囲気や働く様子を見ることができたことも良かったです。

──実際入社してみて、ギャップはありましたか?

意外と意見や相談がしやすかったですね(笑)社会人は「問題は自分で解決しないといけない」と思っていたことと、会社見学の際に社員さんが静かに黙々と仕事をしていたので、相談しにくいイメージでした。

入社してから気づいたんですが、見学者が来ると静かになっちゃうんですよね(笑)私自身も、仕事中に見学者が来ると「静かにしておこう」ってなってしまいます。

──仕事中に相談し合うことはよくありますか。

設計課で私が1番若いので質問されることはないんですが、私から相談はします。同じフロアですぐ話せる環境なので、雑談に近い感じで「これってどうすればいいんでしょうね」という感じで気軽に相談しています。

──入社するまで想像していなかった、仕事の難しさはありますか?

業界ならではの専門用語ですね。会社ごとで呼び方が違うこともありますし、同じ用語でも指している範囲が違うことも…。慣れるまでが大変でした。今も時々分からない言葉がありますが、これまでのやりとりやメールの文脈で分かるようになりました。

──専門用語に慣れるまでに経験は必須ですね。

想像しなかった仕事に出会えた~解析の次なるステップ

──秋田さん自身の今後の目標を教えてください。

現在、シミュレーション結果と実際の金型で加工した製品との間にズレが生じることが多く、その要因は一つではなく複数あると感じています。それらを一つひとつ自分で検証していくしかないと考えています。

シミュレーションソフト自体は操作できますが、十分に理解しているとは言えないので、勉強不足だと感じる場面もあります。

今後は、解析のシミュレーションに関する知識をさらに深め、社内でシミュレーションの品質向上に貢献できるようになりたいと思っています。

──最後に、就職活動中の学生や転職活動中の求職者の方へメッセージをお願いします。

入社してから今まで、自分の考えやイメージと現実は異なる体験ばかりでした。今、自分が実際にしている仕事も、学生時代の自分には想像もできませんでした。

やはり、できるだけ実際に体験してみることが大切だなと感じています。積極的に説明会や見学会など、機会があれば参加していただければなと思ってます。

(取材・執筆:根岸春香)

JAバンクの一員として、鳥取の農業と地域を金融面から支える鳥取県信用農業協同組合連合会(JA鳥取信連)。今回お話を伺ったのは、入会5年目で企画管理部に所属する岡村さん。大学時代に出会った「地域金融」の世界と職場の空気に惹かれ、地元・鳥取での就職を選んだ一人です。数字と向き合う企画管理部での仕事や、異動を通して広がった視野、そして就活生へのメッセージまで、率直に語っていただきました。

企画管理部 岡村 果奈(おかむら かな)さん

1998年生まれ。鳥取県出身。公立鳥取環境大学経営学部卒業。

大学講義の地域金融ビジネス講座をきっかけに、地元・鳥取の地域発展に寄与する金融機関としての存在意義に惹かれ、2021年に鳥取県信用農業協同組合連合会(JA鳥取信連)に入会。入会後は融資部、証券業務部を経て現在の企画管理部へ。決算事務を中心に様々な業務を担当している。

企画管理部の仕事─数字で組織全体を支える縁の下の力持ち

──会社の事業について簡単に教えてください。

まず、JAというのが農業協同組合のことで、相互扶助の精神のもと様々な事業や活動を行っている組織です。中でもJAバンクが、貯金やローン・為替など金融サービスを提供する信用事業を行っている部門になります。全国段階・都道府県段階・市町村段階…と組織にそれぞれ段階があるのですが、私たちは信連ですので、信用事業における都道府県段階の組織として、JAの活動をサポートして、農家組合員の方だったり、地域住民の方を金融面から支援して、地域発展に取り組んでいます。

──岡村さんは、どんなお仕事をされているのですか?

入会して最初の3ヶ月は融資部の農業金融センター、その後は証券業務部で窓口業務を約2年半担当。そして現在の企画管理部へ…と、5年間で3つの部署を経験してきました。

今は企画管理部という部署に所属していて、今年で2年目になります。企画管理部では、決算業務や収支見通しの作成、事業計画の策定などを担当しています。結構日々やってることはバラバラなのですが、決算関係だと財務諸表の作成や業務報告書、ディスクロージャー誌の作成など、いわゆる信連全体のお金の流れを整理して、今とこれからを数字で描いていくような仕事です。

用語もわからず焦る日々。乗り越えた先に、面白さに変わった

──仕事をしている中で、面白さを感じた瞬間ってどんな時ですか?

業務の中で、経営が抱えるリスク構造等の実態把握を基に、最適資金配分の方向性を決定する等の経営戦略を構築していく「ALM委員会」という会議があります。その委員会の運営を担当させてもらっているのですが、会議資料の作成にあたって、長期金利や株価・政治動向といったマーケット情報に関する知識が必要になるんです。
異動したての頃は、興味もなかったしもう全然さっぱりで。用語もわからないし、会議の中で何を言っているのかが理解できなかったんです。どうしよう…とついていけなくて当時はかなり焦りました。
でも、毎日記事を読んだり、わからない言葉は上司や先輩に聞いたりとコツコツ積み重ねていくうちに、最初は用語の暗号解読みたいな感じだったのが、だんだん意味がわかるようになってきて。毎日情報を継続してチェックすることによって、マーケットの知識も身についてきたし、最近はテレビで政治のニュースが流れていたら、自然と興味を持って見てしまうようになりました。
「この出来事があったら金利はどう動くのかな」と経済動向を考えるクセもついて、こういう部分に興味を持てるようになったというのは、すごく良かったなと思っています。自分自身の成長も感じますし、面白いです。
今は、会議資料ひとつとっても、「もう少しこうした方がわかりやすいかな」とか、「ここはこの情報を足した方がいいかも」と考えられるようになってきました。もちろん自分一人で作るわけではないですが、自分なりによりよく工夫できる余地が増えてきたのは、やりがいになってるなと感じています。

地元・鳥取で、無理なく働きたい。鳥取信連を選んだ理由とは

──岡村さんは、就職活動の時、どういう決め手で選んだのですか?

鳥取県信用農業協同組合連合会の存在を知ったのは、大学講義の地域金融ビジネス講座がきっかけでした。金融に携わるいろんな立場の方が特別講師として来られる授業で、そこで初めて名前を聞いたんです。JAに資する金融機関として、より良い地域社会を築くことを目的にしていると知って、鳥取で生まれ育った自分には合っているかもしれないなと思いました。

元々、業界を金融一本に絞っていたわけではありません。それよりも、地元で働くことと、休みをしっかり取れる会社かどうかを大事にしていました。そこまで「鳥取が大好きで仕方ない!」という大げさな感じではないんですけど(笑)、やっぱり馴染みがある場所なので。

数ある企業のなかで、最終的に鳥取県信用農業協同組合連合会を選んだ決め手は、説明会で出会った“先輩たちの声”でした。説明会に参加したときに、そこで働く先輩方が「休みが取りやすい」とおっしゃっていて、自分の大事にしたい条件と合っているな、という印象が残りました。

実際に働いてみても、イメージとのギャップはあまりなくて、かなり休みは取りやすいのではないかと思います。仕事とプライベートどちらも両立できるのは魅力的ですよね。

「皆さん優しい。」異動の多い職場でも安心できる空気感

──では、企画管理部の雰囲気はどんな感じなのでしょうか。

やっぱり皆さん優しいです。これが会社の魅力だと思います。異動はしょっちゅうあるので、わからない環境に飛び込むことになる状況も多いのですが、その度に皆さん協力的で。いつも助けてくださって、本当にありがたいなと思っています。これはどの部署にいってもそうだと思いますね。

私が異動したてで用語がわからなかった時も、すごく助けていただきました。いっぱいいっぱいになっている様子を見かねて、代わってくださったり相談にのってもらったり。知識も沢山教えてもらいましたし、前任の方にも質問しに行ったら一個一個丁寧に教えてくださって。問題が発生したら、一緒に原因を考えてくださったりもしました。皆さん自分の仕事で忙しいはずなのに、皆さんのおかげで、私は壁を乗り越えられたなと思います。

事務所全体としては、真面目な人が多くて、静かめな職場だと思います。皆さん黙々と仕事に取り組んでいる印象です。ただもちろん雑談もしたりしますし、会議資料の作成や今後の金利動向の話など、業務に関することはちゃんと話し合う文化があります。

先輩から「今こういうことが起こっているけど、今後金利はどうなると思う?」って聞かれて、自分なりの意見を言ってみて、上司はまた違う見解を持っていたり…。そんなやり取りもあります。動向を読むのは難しいのですが、予想が当たったら喜んだり(笑)。カチカチした雰囲気ではなくて、雑談に近い雰囲気でそういう話ができるのは、企画管理部ならではかもしれません。

やってみてわかる仕事の楽しさと、これから挑戦する人へ

──岡村さんは今後、どのように成長していきたいですか?

組織全体の目標達成に貢献するためにも、現在担当している業務を一つ一つ確実にこなしながら、専門性を高めていきたいと思っています。今はまだ勉強中ですが、知識をもっと身につけて、目標達成や組織のためになる方策を考えたり提案できるようになりたいです。

今担当している業務は一通り自分で回せるようにはなってきたと思うので、今後は特に税務関係の知識を増やしていきたいですね。JA全国段階の組織・農林中央金庫が開催している研修もあるので、来年はそういった研修を受けて、勉強しようと考えています。

結構研修の種類も多く、勉強できる機会は多いです。鳥取県信用農業協同組合連合会では、毎年「今年はこの試験を受ける」と決めて、費用面もサポートしてもらえたりします。面談を通して自分に合った研修や試験を選べるので、学びたい人にはすごくいい環境だと思います。

──最後に、これから就職活動を迎える学生・求職者の方へのメッセージをお願いします。

就職活動って、自分と向き合う時間がとても多いと思うんですけど、働いてみてからわかる適性や新しい発見もたくさんあります。だから、最初から『自分はこれが向いている/向いていない』と決めつけすぎない方がいいのではと思っています。

私自身、証券業務部の窓口に配属って聞いたときは、「自分には向いてないんじゃないか…」と思っていました。でも、実際やってみたら楽しかったんです。そういう経験もあって、「やってみないとわからないな」とすごく感じました。

だからこそ、業界や職種を狭めすぎず、いろんな業界を見てみて、興味が湧いたところにはぜひ飛び込んでみてほしいです。もちろん簡単に辞めてしまうのはおすすめしませんが、「合わないな」と思った経験も、次の一歩を考える材料になると思います。鳥取県信用農業協同組合連合会は、異動もありますし、周りの皆さんもとても優しくて、わからないことがあっても助けてくれる環境です。地域に貢献しながら、自分も成長していきたい人には、きっと合っている職場だと思います。

(取材・執筆:坂牧真)

鳥取県を拠点に、オフィスの“働きやすい環境づくり”をワンストップで支援する株式会社モリックスジャパン。昭和21(1946)年、文具卸業からスタートした同社は、時代の変化に合わせてITソリューションやオフィスリノベーションなど、オフィス環境全体を支える事業へと発展してきました。

複合機やネットワーク運用、オフィス家具の提案など、地域企業のあらゆるはたらく環境を支える存在として、長年にわたり信頼を築いています。

その舵を取るのが、代表取締役社長の盛田翔平(もりた しょうへい)さん。これまで培った知見を活かしながら、組織体制と人事制度の両面から会社の未来を再設計しています。

「社員が誇りを持てる会社でありたい。そして、お客様の“未来の1歩先の未来”を共にデザインしたい。」

そう語る盛田さんに、創業80年企業の挑戦と変革への思いを伺いました。

代表取締役社長 盛田 翔平(もりた しょうへい)さん
関西学院大学経済学部を卒業後、キヤノンマーケティングジャパン株式会社にて3年間勤務。2019年に、家業である株式会社モリックスジャパンへ入社。2022年に代表取締役社長に就任。複合機やIT機器の販売・保守、ネットワーク運用などのITソリューションをはじめ、オフィス家具の提案・リノベーションまで、地域企業の多様なニーズに応える体制づくりを推進。

創業80年。“オフィスの働きやすい環境づくり”をワンストップで支援

──モリックスジャパンとはどんな会社なのか、事業内容を教えてください。

私たちは、オフィスの“働きやすい環境づくり”をワンストップで支援している会社です。複合機やパソコン、各種システムの販売・保守を中心に、机や椅子などのオフィス家具まで幅広く取り扱っています。最近ではクライアント企業のIT部門をサポートするアウトソーシング事業にも注力しています。ネットワークの運用管理や障害対応など、社内IT担当の役割を当社が代行する形で支援しています。

──創業から長い歴史のなかで、事業内容も変化してきたのでは?

そうですね。モリックスジャパンは、2026年1月に創業80周年を迎えます。最初は文具や用紙の卸業からスタートし、その後、コクヨ製の机や椅子などオフィス備品の販売へと事業を広げました。

1990年代半ばに、オフィスのIT化が進む時代の流れを見据えて「OA・IT部門」を新設。そこからIT商材の比率が徐々に高まり、現在では売上の約6割をシステム関連商材が占めています。

とはいえ、変わらない部分もあって。創業以来、私たちは地域の皆さまやお客様と“一歩先の未来を共にデザインする”という考え方を大切にしてきました。ただモノを販売するのではなく、お客様の課題を共に考えて、伴走することを心がけています。

──地域密着で信頼関係を築いてきた背景には、伴走の姿勢があるんですね。

商品で差別化するのが難しい時代だからこそ、人とサポート力で選ばれる会社でありたいと考えています。お客様の課題を丁寧にヒアリングし、解決まで寄り添う誠実な対応力や人間力こそが、モリックスジャパンの強みです。営業部・サポート部・総務部も含め、全社でお客様に寄り添う姿勢を磨き続けています。

ダメなら変えればいい。ビジョン実現のため挑戦と改善を重ねる

──社長に就任して、改めてパーパス・ビジョン・ミッション・バリュー(以下PVMV)を策定されたと伺いました。どのような経緯があったのでしょうか?

​​社長に就任したタイミングで、まず「この会社をどんな未来に導きたいのか?」を明確にしなければと感じました。というのも、私が就任する前は、日々の業務はしっかりしていたものの、会社としての“ビジョン”が言語化されていなかったからです。そこで、「何のために働くのか?」「この会社は何を目指すのか?」「お客様に提供する価値は何なのか?」を整理するところから始め、半年以上かけてPVMVを策定しました。

──そうだったんですね。具体的には、どんなビジョンを掲げているのですか?

大きく2つあります。

1つめは「人×デジタルのチカラでお客様の事業成功をリードする」。社員一人ひとりが課題を正しく捉え、共に考え、提案できる“人の力”と、ITやAIといった“デジタルの力”を掛け合わせて、お客様の成果に貢献することを目指しています。

2つめは「社員が誇りに想い社員のご家族に感謝される会社になる」。社員が誇りに想う状態とは、会社が良くなるだけでなく、個人の自己実現と会社のビジョンが重なることだと思っていて。そのために、1on1の質を高め、社員一人ひとりのなりたい姿と会社の方向性をリンクさせることを考えています。

──ビジョン実現のために、人事制度や休暇制度の改革を実行してきたそうですね。

導入しているフリーバカンス制度(3日間連続休暇)も、組織を強くするための施策のひとつです。コロナ禍のときに、担当者が感染して出社できなくなると、業務が止まってしまうケースがあって。課題を解決するためには、誰かが3日間休んでも回る体制が必要だと思い、3日休みの取得を義務化しました。

モリックスジャパンでは、「ダメなら変えればいい」の考えを大切にしています。挑戦しないと課題は見えてこないので、まずは実行して、うまくいかない部分があれば改善していくといったスタンスです。

チームで最短解決を目指す組織

──制度面での変革が進む中、実際の業務の進め方にはどんな変化がありましたか?

以前は、トラブル対応の際に「まず担当が現場へ向かう」といった対応が一般的でした。でも、お客様が求めているのは「誰が行くか」よりも「どれだけ早く直るか」だと気づいて。会社としても対応の仕方を抜本的に見直しました。

今では、社員一人ひとりが最適な方法を自分で考え、スピード感を持って行動するようになっています。そうした主体的に動ける社員が増えたのは、大きな変化だと思います。

──なるほど。具体的にはどんな体制に?

問い合わせ窓口を一本化しました。以前は担当者ごとに直接電話を受けていたため、対応漏れや二重対応が発生し、復旧までに時間がかかっていたんです。

現在は、トラブル対応専任のチームが一次対応を担っています。現場へ駆けつける前に、リモートで状況を確認・操作できる体制を整えたことで、軽度な不具合なら10〜15分ほどで解決できるケースもあります。

現場が必要な場合は、最寄りのメンバーが即時に駆けつけます。「担当者本人が行くべき」といった従来の考え方を改めて、チーム全体で最短復旧を目指す体制に変えました。現在は「障害発生から1時間以内の復旧」をKPIに掲げ、全社で共有しています。この仕組みにしてから対応漏れも減り、社員同士の連携も強くなりました。

プロフェッショナルであり続ける会社へ

──これまでの取り組みを経て、これからどんな会社にしていきたいですか?

“人”の力で選ばれる会社になりたいと思っています。社員が提供できる価値が増えれば、自然とお客様の満足につながり、最終的に会社の利益として返ってきます。その利益を社員に還元し、また誇りを持てる環境づくりに投資するといった好循環をつくることが、理想の姿です。

その理想に向けて、今後は「プロフェッショナルの組織化」に注力したいです。それぞれの職種で「自分にとってのプロとは何か?」を言語化して、日々の仕事に落とし込むことが大切だと考えています。

──最後に、学生に向けてメッセージをお願いします。

「Be Professional(プロであれ)」という言葉を伝えたいです。これは当社のバリューにも入っていて、私自身が大切にしている考えでもあります。“プロフェッショナル”とは、スキルが高い人ではなく、自分の仕事に責任と誇りを持っている人のことだと思っていて。自分なりのプロ意識を持てる人と、ぜひ一緒に働きたいですね。

モリックスジャパンは、まだ私の理想の途中段階です。会社の変革は、一緒に考えてくれる人によって進んでいくと思います。だからこそ、当たり前を疑い、常に今の最適解を考える人に入社してほしいです。

(取材:大久保 崇・編集:成田愛恵・執筆:石田千尋)