健康食品・サプリメントの開発・製造や通販事業を展開し、どんな方でもわかりやすい商品名や広告で知られる八幡(やわた)物産株式会社。同社の制作係は、お客様へ商品の魅力を伝えるチラシやDM、パッケージデザインなどのクリエイティブを担当している部署です。
今回は、大学で学んだ心理学とは異なる道を歩み、未経験から制作のプロとして活躍する櫛田 彩香(くしだ あやか)さんにインタビュー。入社時はデザインツールを触ったこともなかった櫛田さん。入社から4年、成長のきっかけとなった制作や先輩社員の支え、八幡物産のチーム力について聞きました。

制作係 櫛田 彩香(くしだ あやか)さん
鳥取県出身。大学では心理学を専攻しカウンセラーを目指すも、キャリアチェンジを決意。地元企業で働きたいという想いから、八幡物産株式会社に総合職として入社。入社後、デザイン未経験ながら「制作係」に配属。お客様の手元に届くチラシ、DM、カタログなどの販促物制作を一貫して担当する。
「キャッチーさ」を大切にお客様の心を動かす。八幡物産の制作係
──まず、八幡物産の事業内容について教えていただけますか?
弊社は、健康食品やサプリメントなどを扱う通信販売会社です。テレビショッピングや新聞広告などを通じて全国のお客様に商品をお届けしています。若い方々にも手に取っていただきやすいよう、ドラッグストア販売へも裾野を広げています。
──八幡物産の商品といえば『ホップ・ステップ・ジャンプ!』や『見えるんです!』といったユニークでキャッチーな商品名が印象的です。商品づくりではどのような点にこだわっているのでしょうか?
お客様に手にとってもらいやすいような、わかりやくキャッチーな商品名の立案を心がけています。社内の掲示板で募集される時もありますね。
私も応募したことがありますが、お客様に親しみを持っていただけるよう、遊び心がありつつも、商品の良さが伝わるような名前を大切にしています。

──櫛田さんが担当されている仕事のやりがいや面白さについて教えてください。
私は「制作係」でお客様に届けるチラシやDM(ダイレクトメール)、カタログなどの販促物の制作を担当しています。現在、計4名のデザイナーが在籍しており、 皆で分担・協力しながら進めています。
新商品のパッケージ案を作成することもあります。どうすれば「商品の魅力を分かりやすく、正確にお客様に伝えられるか、「ああでもない、こうでもない」と試行錯誤しながらデザインを仕上げていく過程が楽しいですね。出来上がった自分のデザインに対して同僚や上司から「いいね」と褒めてもらえると、クリエイティブな仕事ならではの喜びを感じます。
未経験からカタログ制作に挑戦。仕事の景色が変わった
──制作係に入ったのはどのようなきっかけだったのでしょうか?
大学では心理学を勉強していたのですが、授業や実習を通して「自分にはカウンセラーは向いていない」と気づいて。就職を機にやりたいことを見つけようと、地元での就職活動を始めました。
八幡物産の面接で「興味がある部署はどこか」と聞かれた際に、美術の授業での作品作りやプレゼン資料を作るのがすごく好きだったことから「制作」と答えたんです。それがきっかけで配属が決まったのかなと思います。

──入社後、実際に制作の仕事に取り組んでみていかがでしたか?
正直、毎日が葛藤でした。デザインの経験も知識もないため、まずはチラシの簡単な修正からスタートしました。先輩がつくったものを参考に作業をしながら、デザインの基本的な考え方や意図を教えてもらいました。
入社して間もない頃、初めて完成させたチラシ案を他部署の方々に見ていただいた際、大幅に修正点や変更点がでたことがあって。「自分なりに頑張っているだけではダメだ……」と、自分の至らなさに悔しさを感じました。
先輩はそんな私の悔しさを受け止めてくれたうえで、「何が違ったのか、お客様視点で何が不足していたのか」を丁寧に教えてくれたんです。「制作物は自分の作品ではなく、お客様に一番伝えたいメッセージを届けるもの」だと学び、プロとしての視点が足りていなかったと気づきました。
好きな美術の作品やプレゼン資料の作成のように取り組んでいたのですが、このときの私は「自分が楽しい」で完結していました。仕事では制作物を届けるお客様がいます。この「届ける」プロセスこそが最大のやりがいです。学生時代は一消費者として「受け取る側」だった自分が、今度は「届ける側」になれていると思うとなんだか感慨深いです。 先輩方の具体的なフィードバックがあったからこそ、未経験でも一歩一歩、 制作のプロとして成長できたと感じています。
──これまでの4年間で、とくに印象に残っている制作物について教えてください。
入社3年目のとき、シーズンキャンペーンで使う全16ページのカタログ制作の担当者として、ゼロから作り上げたカタログです。弊社の商品を購入してくださるお客様へお送りする、いわば「やわたの顔」となる販促物なので、いつも以上に責任を感じながら制作に挑みました。
初めてのことばかりで、ラフの描き方から上司に教えてもらいました。ラフの段階で考えがまとまっていないと、デザインに起こしても全然うまくいかなくて。
初めての大規模な制作をよりよくするために、会社外でも意識的にさまざまなデザインを注視するようにしました。スーパーや図書館に置いてあるイベントのフライヤー、新聞に入っている広告チラシなど……。「他社はこういう配色で目立たせているんだな」「どういうデザインが分かりやすいんだな」とたくさんストックしました。
学びも葛藤も多い制作となり、長い期間と工数をかけてようやくカタログが完成したときは、やり切った達成感を得ると同時に自信にもなりました。

──この経験を通して、ご自身の中で変化を感じる点はありますか?
「自分一人でできる仕事には限界がある」「人の力を借りることで、より素晴らしいものがつくれる」ということを学びました。仕事に対する考え方もガラッと変わったと思います。
カタログ制作を経験する前は、自分から積極的に他部署に質問したり話しかけたりすることは、あまりしてこなかったんです。
でも今回の制作では、商品の情報や伝えたいことを整理するために他の部署の人に話を聞くことが重要でした。実際に話を聞いてみると、知らなかった商品のこだわりを聞けたり、客観的なアドバイスをもらえたりと、想像以上に得るものが大きかったんです。
同時に「もっと周りの人に頼っていいんだ」と気づいた瞬間でもありました。周りの人に頼ることで客観的なアドバイスをもらえたり、良いところは褒めてもらえたりして、前向きに制作に取り組めるようになったと思います。
未経験でも挑戦できる。八幡物産の「味方でいてくれる」安心感
──八幡物産への入社の決め手についても教えてください。
「人」と「環境」が決め手です。八幡物産の会社見学で対応してくださった方が、私の質問に裏表なく誠実に答えてくださって、「この人たちなら信頼できる」と感じました。
福利厚生の面でも、自分に合っていると感じました。私は月に1回は必ず旅行するほどの「旅行好き」なので、土日休みに加えて休日が取りやすいことも魅力に感じましたね。
──人柄や働き方が決め手になったのですね。実際入社してみて、職場の雰囲気はどうでしたか?
上司や先輩に相談しやすく、柔らかい雰囲気の職場だと思います。会社見学の際に抱いた印象と良い意味でギャップがなかったのがよかったです。
メリハリをつけるのが上手な人が多く、会議の際にはしっかりと議論し、ふとした隙間時間では楽しそうな雑談が聞こえるなど、和やかなムードがあります。
先日、私が髪をばっさり切ったときも、他部署の方々がすれ違いざまに声をかけてくれて、「見ていてくれているんだな」と感じてとてもうれしかったです。

──そもそも未経験からのスタートとなると、不安も大きかったかと思います。社内のサポート体制はいかがでしたか?
職場は優しい雰囲気の方ばかりで「何でも質問していいよ」と言ってくれるので、少しでも迷ったことがあれば気兼ねなく質問できました。
私は入社当初、デザイン業務で使用するPhotoshopやIllustratorの使い方すらまったくわからない状態でした。上司や先輩が業務を通して一から丁寧に教えてくださったおかげで、今では制作に必要なソフトを使いこなせるようになっています。
制作部の係長は、具体的なアドバイスをくださるだけでなく、良い点については惜しみなく褒めてくださるんです。デザインの経験がない私にとって「上司が味方でいてくれている」という実感を持てたことが、新しいことにも挑戦する勇気となりました。
制作以外の職種においても、未経験でも安心してチャレンジできる環境だと思います。
自分の「武器」を見つけられるのが働く醍醐味。目指すは人の成長をサポートする存在
──今後の櫛田さんの目標を教えてください。
企画から完成まで責任を持って進行できるようになるのが一番の目標です。「この部分は櫛田に任せれば大丈夫」と頼られる存在になりたいです。
そして、今の制作係には後輩がいないため、ぜひ新しい仲間に来てほしいと願っています。
後輩が入ってきた際には、私が上司にしてもらったように、今度は私が人の成長をサポートできる存在になりたい。手取り足取り教えるのではなく、要点は抑えつつも余白を残し、自分で考えてもらうような教え方で、後輩の成長をサポートしたいです。
自分の成果を出すだけでなく、人の成長をサポートできるよう、私自身も成長していきたいです。
──最後に、就職活動を控える学生の方へメッセージをお願いします。
社会人になるにあたって、アルバイトとは違う責任感の重さや、将来への漠然とした不安、プレッシャーを感じる方も多いと思います。私も就職活動中は、まさにそうでした。
実際に働いてみて分かったのは、新しい環境に飛び込むからこそ、まだ見ぬ自分の強みを見つけるチャンスがあるということです。
私自身、デザイン経験が全くない状態からのスタートでしたが、新しい環境に入ったからこそ上司からプロのスキルを学び、デザインという新たなスキルを身に着けることができました。スキルを自分の武器として得られるのは、社会人として働くからこその醍醐味だと思います。
働くことで「新しい経験を自分の成長に繋げられる」という希望を持って、前向きに頑張ってほしいです。
八幡物産には、未経験の人でも真摯に受け入れて、着実に成長につながる仕事を任せてくれる環境があります。八幡物産で一緒に働けることを楽しみにしています。
(取材:大久保 崇 編集:成田愛恵 執筆:なこてん)
1982年に設立してて以来、エレクトロニクス分野の進化を支える企業として、高品質なものづくりを追求し続ける鳥取スター電機グループ。製造拠点である「株式会社鳥取スター電機」、「SHINKO株式会社」、研究開発や設計を担う「鳥取コスモサイエンス株式会社」の3社が連携し、開発設計から納品までを自社グループ内で完結できる仕組みを確立しています。
多くの人が何気なく使用する電子機器ですが、その製品が完成するまでの過程はあまり知られていません。今回お話を伺ったのは、回路設計に従事する鳥取スター電機グループ入社2年目の児玉 弦太朗(こだま げんたろう)さん。
「回路設計の仕事は『トライアンドエラー』の連続なんです」
そう語る児玉さんに、設計の仕事の裏側、若手社員が感じる職場の雰囲気、技術者として今後目指す姿などについてお聞きしました。

鳥取コスモサイエンス 技術部 回路設計課 児玉 弦太朗 さん
鳥取県米子市出身。米子工業高等専門学校卒。学生時代には電気回路やプログラミング、電子工学などを幅広く学び、技術者を志す。鳥取スター電機グループに入社後は、技術部の回路設計課に配属される。現在は車載機器の回路設計を担当している。
設計開発から組立管理まで。グループ内で完結する一貫生産体制が強み
──まずは鳥取スター電機グループについて教えてください。
鳥取スター電機グループは、車載機器や美容機器などの電子機器を製造するOEM企業です。1966年の創業以来、時代のニーズに応じて幅広く製品開発を行ってきました。主力製品であるドライブレコーダーは業界トップシェアのメーカー様に納品しており、日常生活で何気なく使っているものが、実は弊社の製品だったなんてこともあるかもしれません。
また、弊社は設計、開発、製品組立や品質管理まですべてが自社グループ内で完結する「一貫生産体制」を実現しており、効率的に製品を作ることも特徴のひとつです。

──その中で、児玉さんはどういった業務を担当されているのでしょうか。
僕は開発や設計を担う部門で、回路設計をしています。設計したら試作品に不具合がないか確認し、不具合があれば設計し直してもう一度実験……と、ひたすらトライアンドエラーを繰り返しています。開発内容によりますが、1つの製品が完成するまでに1年以上かかることが多いですね。
「仕事は準備が8割」入社1年目に先輩から学んだ、技術者としての基本
──仕事をしている中で、どういったときに面白さややりがいを感じますか。
大変なこともありますが、不具合の原因を突き止めて、解決できた瞬間にとても達成感があります。
回路設計は予定通りにいかないことの連続で、たくさんの不具合が発生します。その原因がどこにあるのか、複雑な回路の中から探し出すのは骨の折れる作業です。知識があったとしても、実際に特定するためにはコツコツとした積み重ねが必要なので、不具合の原因を発見できた時点でも達成感があります。
そこから調整や検査を行い、電圧や電流に異常があれば目的の数値に正していきます。これがなかなか一筋縄ではいきません。計画通りにはなかなか進まないですが、続けていくと数値がぴったりとはまる瞬間があるんです。
その瞬間は自分の成長を実感できますし、自分が動かした回路が目的通りの性能を発揮して、不具合の修正につながったと思える。これが一番楽しい瞬間ですね。

──これまでのご経験のなかで、特に印象的なエピソードなどあればお聞かせください。
入社1年目で、初めて実車試験のメイン担当になったときのことです。僕は安全運転をサポートする機器の回路を作っているので、実際に車に乗って機器の品質検査をすることがあります。
初めてだったので、機器の準備、設定、試験の時間帯や場所など、実験の計画を入念に立てました。ですがいざ現場に着いてみると、想定外のトラブルが次々と起こってしまいました。結果的に検査は無事終わり必要なデータはきちんと取れましたが、自分の思っていた計画通りにはいかず力不足を痛感しました。
この件を先輩に報告した際、具体的なアドバイスとともに、「仕事は準備が8割」という言葉をいただきました。それからはこの言葉を教訓とし、一つひとつの準備工程をより細かくクリアにすることを意識にしています。
こうした経験があったからこそ、様々な業務においてやり直しやミスを防げる仕事ができるようになれたと思います。実際、先輩から実験や検査を任されることも増えて、初めての実車実験で学んだことが、確実に今の自分を支えていると感じています。

──実際に道路を走行して検査するなど、現場での作業もあるのですね。
そうなんです。「回路設計」という言葉を聞くと、パソコンで作業したり机で図面を書いたりと、黙々と作業するイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、そうではありません。とにかく実物を触って手を動かして確かめています。デスクワークより「工作」と言った方が実態に近いですね。
しかも、その工作をひとりで黙々と進めるのではなく、先輩たちとフランクに話し合いながら進めています。「今の性能はよかったね」「ここの回路を変えたら、もっと性能がよくなるんじゃないですか」と協力しながらものづくりを進める毎日は想像していなかったので大きなギャップでしたし、とてもおもしろいです。
先輩たちと密にコミュニケーションしながら仕事をする日々
──日々どのようなスケジュールで1日過ごしているのでしょうか。
8時20分の始業に合わせて出勤し、毎朝ミーティングをしてから業務に入ります。10時までは書類作業やメール対応などの事務作業を片付けます。
10時に小休憩をとったら本格的に回路設計の業務にあたります。回路を検査して不具合がないか確認したり、検査結果を踏まえて回路に反映させたりしていきます。基本的には先輩と密にコミュニケーションをとりながら回路設計しています。12時にお昼休憩、15時に小休憩を挟みつつ、定時の17時20分まで設計を続けています。
量産する時期には予期せぬトラブル対応などで1〜2時間程度の残業が発生することもありますが、基本的に少ないです。業務上、多くの人と連携する必要があるので、基本的には人が揃っている定時内に設計することが当たり前になっています。

──周りの人と対話を重ねながら仕事を進めるのですね。職場の雰囲気はいかがですか。
風通しがよい職場だと思います。優しく丁寧に教えてくださる先輩ばかりで、部署や担当機種に関わらず「今こんなことで悩んでいる」と相談すると、一緒になって取り組んでくれます。
ある日、僕が担当する回路を検査していると、回路だけではなくソフトウェアも関係する不具合を見つけたことがありました。先輩から「ソフトウェア設計の人に直接相談してみるといいよ」と言われ戸惑いながらも伺うと、不具合の症状を見ながら「ここを修正したらいいんじゃないかな」と話し合って修正することができました。部署が違ってもフランクに話せる関係に驚きました。
どんな経験も無駄にならない。鳥取スター電機グループには、幅広く学んだ知識が生きる瞬間がたくさんある

──そもそも児玉さんが鳥取スター電機グループに入社を決めたのには、どのような理由があったのでしょうか。
一貫生産体制が整い、開発や設計に関するさまざまな部署を持つ点に魅力を感じたからです。学生時代には米子工業高等専門学校で電気回路やプログラミング、工学など幅広く学んでいたのですが、正直なところ自分がどの分野の仕事に就きたいのか分からなかったんです。鳥取スター電機グループであれば、キャリアの選択肢を狭めることなく、自分に合った仕事を見つけられると思いました。
入社してから各部署の仕事を経験し、納得したうえで希望職種を決めることができました。新入社員の職種希望をできる限り尊重する体制が整っているので、焦らずじっくりと自分がやりたい仕事を見つけられるはずです。
──さまざまな部署があるからこそ、自分がやりたい仕事を見つけられるんですね。児玉さんがこれから挑戦したいことはありますか。
まずは担当している回路設計の知識をしっかり身につけて一人前になりたいです。そのうえでソフトウェアの知識も蓄えて、回路設計とソフトウェアの両方の観点を持って開発できる人になりたいと思っています。
資格取得に励んだり会社の資料を読んで「こんな部品やプログラムがあるんだ」と学んだり、ソフトウェア担当の方とお話しするなかで教えていただいたりと、いろんな形で日々勉強しています。
また、弊社には長年にわたってさまざまな電子機器を開発するなかで蓄積された設計ノウハウがあります。そうした技術を吸収して成長していきたいですね。

──最後に、就職活動中の学生へメッセージをお願いします。
就職活動や学業をがんばるなかで、ときには自分がやっていることに対して「本当にこれでいいのかな」と不安に思う日があるかもしれません。でも、自分の学んだことがきちんと生きていく瞬間が必ずあるので、そのまま精いっぱい取り組んでみてください。
実際に社会人になってから、学生時代に授業で学んだ知識を実務で使ったり、趣味で触れていたプログラミングがソフトウェア担当の方と相談するときに役に立ったりすることがあります。そういう瞬間に「あの経験がここにつながるんだ」と驚くんです。どんな経験もどこかで糧になると信じて、挑戦することを大事にしてください。
(取材:大久保 崇・執筆:儀賀千春・編集:成田愛恵)
山陰地方を中心に65の支店を持つ鳥取銀行。人口減少・少子高齢化が進むなか、持続的な社会を維持するために、さまざまな切り口で地元企業の発展を支えています。2024年には、海外進出支援の一環として、地元企業16社の海外展示会への出展を実現しました。
今回お話を伺ったのは、本店営業部 部長代理の岡﨑 匡(おかざき まさし)さん。海外展示会出展プロジェクトのリーダーも務めました。成功に導けたのは、2度の出向など多様な経験を積んでいたからだと語っています。
入行11年目の岡﨑さんが大切にしているのは、「自分らしさを大切に働くこと」。人との関わりと多様な経験の中で得た学びを通して、鳥取銀行で描くキャリアのイメージをお伝えします。

本店営業部 部長代理 岡﨑 匡(おかざき まさし )さん
大学では化学を専攻するも、人と関わる仕事がしたいと鳥取銀行へ入行。本店営業部にて、法人営業を担当。2度の出向を経て、台湾・香港で行われた展示会のプロジェクトリーダーを務める。仕事のコミュニケーションでは「聞く姿勢」を大切に、お客さまや部署のメンバーと信頼関係を築いている。
銀行の仕事とは、企業の成長を後押しし、経営者の想いに応えるもの
──まず、岡﨑さんは現在どのような業務を担当されているのかお聞かせください。
人と関わり、かつ影響力のある仕事をしたいと思ったためです。大学では化学を専攻していたので、学生時代は研究職に就く未来を想像していました。しかし、無機質な研究室で黙々と研究しているときに、人と関わりながら仕事をする方が向いていると気づいたのです。
身近に金融業界に進んだ先輩方がおり、大きな金額を動かして社会に貢献している姿に憧れて、自分もその一員になりたいと思いました。
──金融業界を志した理由は何だったのでしょうか。
人と関わり、かつ影響力のある仕事をしたいと思ったためです。大学では化学を専攻していたので、学生時代は研究職に就く未来を想像していました。しかし、無機質な研究室で黙々と研究しているときに、人と関わりながら仕事をする方が向いていると気づいたのです。
身近に金融業界に進んだ先輩方がおり、大きな金額を動かして社会に貢献している姿に憧れて、自分もその一員になりたいと思いました。

──どのようなときにやりがいを感じますか?
経営者が、なんとか会社や事業を存続させたいと願う気持ちを形にできたときですね。たとえば、事業継続のために工場を建て替えたいというご相談に対して、融資という形で資金を調達します。実際に工場が新しくなって感謝をしていただけると、自分の仕事が企業の前進に繋がったことを実感し、大きなやりがいを感じます。
ほかにも、日々経営者の方とお話をするなかで「技術への投資」や「社員に対する責任感」など、経営者目線の考え方を学ぶことができ、刺激をいただいています。
対話を重ねて築く信頼関係。働きやすさも進化する職場環境
──銀行と聞くと大事なお金を扱っているので、社内ルールなどかなり厳しい印象があるのですが、実際どのような環境で働いているのでしょうか。
とても風通しがよく、明るい職場だと感じます。行員数約800名のお互いの顔が見える規模感ということもあり、行員同士の距離が近く、部署を越えて意見を交わしています。たとえば、支店と本店が連携して商談をするなど、自然と横の連携が生まれています。
上司には部下を育てる意識のある方が多く、どんな些細なことでも相談に乗ってもらえます。私たちの仕事ぶりをしっかり見て正当に評価してもらえるので、やりがいを持って働けていますね。
頭取も、定期的に支店を回って行員と交流を図ってくださいます。私たちの意見にも積極的に耳を傾けていただけるので、「休暇を取りやすくしてほしい」というような要望も気兼ねなく伝えることができます。
──岡﨑さんは部内に後輩行員も多く抱える立場かと思います。ご自身は周りのメンバーとどのようなコミュニケーションを取られているのでしょうか。
何かあったら気軽に相談してもらえるよう、部署の若手行員と普段からコミュニケーションを取るように心がけています。一緒に仕事をするときは、自分の考えを一方的に伝えるのではなく、必ず相手の考えも聞くようにしていて。
世代の特徴に合わせてコミュニケーションの取り方も変えていく必要があると思っています。私が若手のころは、先輩の背中を見て仕事を学んでいました。ですが今の若手世代は、自身の価値観や意見を大事にしている人が多い印象です。ときには指示を出すことも必要だと思いますが、お互いの考えを尊重した着地点を探りながら議論をするようにしています。

──入行当時と比べて働きやすくなった点はありますか?
無駄な残業を減らす風潮が職場に浸透したと思います。有給休暇も人事部が積極的に取得するよう発信しているので、かなり取得しやすくなったと感じます。
引っ越しをともなう転勤の有無を選択できるようになったのも大きな変化ですね。以前まで、総合職は数年おきに転勤する可能性がありました。たとえば子どもが生まれたら育児に参加できるように引っ越しをともなう転勤をしない選択ができるので、家族との時間を大切にできるようになったと思います。
さまざまな現場を通して磨かれた、自分らしく挑戦する力と仕事への誇り
──入行してから今までで最も大きな仕事について教えてください。
地元企業の海外展示会出展を支援するプロジェクトで、リーダーを務めたことです。このプロジェクトは、売り上げ増加を目的に海外展開を目指す16の食に関わる企業が、現地のバイヤーとつながる機会をつくるために実施したもので、台湾と香港で行われた『食の見本市』に出展しました。
当時、鳥取銀行として初めての取り組みでしたので、全くノウハウがないなか、約1年間の準備期間を経て挑みました。現地では翻訳アプリを使いながら英語で商談をサポートした結果、無事に海外の小売店との販売契約を結べ、海外輸出ルートを作ることができました。
このプロジェクトを通じて得た経験は、今後また高い壁にぶつかっても恐れず挑戦できる自信につながりました。

(出典:https://www.tottoribank.co.jp/ir/financial/disc/mini/2024_9/4.pdf)
──2回出向の経験もあるそうですが、その経験が活きたのでしょうか。
はい。今の自分につながるとても大切な期間だったと思います。
1社目のジェトロ(日本貿易振興機構)では、日本企業の海外への事業展開支援について学びました。2社目の三菱UFJ銀行では、外国為替の取引について学びました。これらの経験があったから、海外展示会のプロジェクトも乗り越えられたのだと思います。
──海外の企業や市場と関わる仕事に憧れる就職活動生も多いと思います。希望する職種に就くことはできるのでしょうか。
すぐには難しいかもしれませんが、自分の興味のあるキャリアを人事部に申告することができるので、可能性はあると思います。また、自分の持つスキルに関する資格を取るとプロフェッショナルと認定され、業務に活かせる制度もできました。
自分の目指すキャリアに挑戦できる人事制度の整備が進んでいるので、希望する仕事に向けてしっかりと自己研鑽を積んでいけば配属希望を叶えるチャンスはあると思います。

──お金の貸し借り以外にも多様な業務があるのですね。こうした様々な経験を積むなかで、仕事内容以外に学んだことはありますか?
新卒1年目から3年目までお世話になった上司は、「普通が一番」という言葉で、自分らしさを大切に仕事に向き合うことを教えてくださいました。周りの優秀な人と比べて気後れしたり、経営者の方を目の前にして取り繕ってしまったりするとき、「あなたにはあなたの良さがあるから、自分らしく振る舞えばいい」と励ましてくださったんです。今でもその言葉を胸に、自信を持って仕事に取り組んでいます。
また、三菱UFJ銀行への出向時にお世話になった上司からは、社会情勢に目を向け、自分で考えて仕事を進めることの大切さを学びました。 当時の私は、上司からの指示に従うばかりで自分の意見をあまり持たないタイプでした。しかし、その上司の教えを受けて、仕事でもプライベートでも情報を自ら収集し、自分なりに考えて行動することを心がけるようになりました。
──岡﨑さん自身が仕事をする上で、大切にされていることを教えてください。
自分の仕事にプライドを持つことです。仕事の手を抜くことは、関わっていただいているお客さまも軽んじてしまうことだと思います。 あとは、お客さまの対応は常にスピードを意識して取り組むこと、お客さまにより良いご提案ができるように自己研鑽に励むことも大切にしています。お客さまに誠実に向き合うための努力は惜しまないようにしたいですね。
自分らしさを糧に、誰もが誇りを持てる組織づくりを目指す

──岡﨑さんの今後の目標を教えてください。
ゆくゆくはこの銀行の経営企画に携わりたいです。日々進化している職場環境を、もっとよくしていきたいという思いがあります。行内をみていると、規模の大きい銀行と比較して自分の仕事は大したことがないと、仕事に自信が持てていない行員が少なくないと感じています。その方々が前向きに仕事ができれば、この銀行はもっと伸びていくと思うのです。
かつて私が入行当時にお世話になった上司から教えていただいた「普通が一番」の精神を持てれば、ありのままの自分に自信がつくのではないか。そうすれば、誰もが自分らしく仕事ができ、より仕事に誇りを持てるようになるのではないかと考えています。
──最後に、就職活動生に向けてメッセージをお願いします。
就職活動をしていると、他の人が輝いて見えてしまうかもしれませんが、ご自身ならではの魅力を大切にしてください。もし当行に興味を持っていただけるのであれば、現時点でのキャリアプランは漠然としていても大丈夫です。入行してから仕事を通じて自身の強みを再認識し明確になっていくことも多いと感じています。それよりも、自分に嘘をつかず、自分らしさを見つける経験を重ねていってほしいと思います。
(取材、編集:大久保 崇・執筆:赤羽 エリ)
道路、橋梁、河川——私たちの生活を支える土木インフラ。その裏側で、人々の安全を守るための設計に携わっているのが建設コンサルタントです。西谷技術コンサルタント株式会社で護岸・堤防などの設計を手がける小杉さんは、入社9年目。技術と人の温かさが共存する職場で成長を続ける小杉さんに、仕事の醍醐味や働く環境について伺いました。

小杉 翔(こすぎ しょう)さん
西谷技術コンサルタント株式会社 入社9年目。大学では建築を専攻していたが、より多くの人々のためのものづくりを志し、建設コンサルタントの道へ。現在は河川・砂防分野で防災インフラの設計を担当している。
地域の「安心」を担う仕事

——では、小杉さんのお仕事について教えてください。
業種でいうと「建設コンサルタント」の仕事をしています。建設コンサルタント業務において、道路や橋梁といったインフラ整備に関わる内容は多岐にわたります。具体的には、地形や構造物の測量、地盤の状態を確認するボーリング調査、これらのデータをもとに行う設計、さらに施工後の施設の点検・修繕などです。私が担当しているのは、その中でも設計部分です。弊社では設計部門が「道路」「橋梁」「河川・砂防」3つに分かれており、私は河川・砂防の部署に所属し、砂防堰堤などの設計を担当しています。砂防堰堤といってもあまり馴染みがないかもしれませんが、豪雨による土石流を受け止め、土石流による被害を食い止める構造物です。いわゆる防災インフラと呼ばれる、災害時にも人が安全に被害なく生活できるための構造物を設計する仕事です。
——私たちが平穏無事に生活するために欠かせない仕事なんですね。
そうですね。土石流が発生する危険のあるところでも、構造物が一つあるだけで地域の方に安心・安全を感じてもらえる。川の水位が上がっていっても「大丈夫だろう」と思ってもらえるようなものを作る。災害時の対応を行うこともあるんです。特に人命に直結しますし、多くの人の役に立てている実感に繋がっています。
——仕事をする上で大切なのはどんなことですか?
発注者や地元に求められていることに対して最適な提案を行い、いかに納得してもらうかです。地域の方々に安心していただけるかどうか。これがなかなか難しいのですが、重要なことだと思っています。どういう計画なのか、自分たちの土地がどれだけ影響を受けるのか、説明会を開いてお話することもあります。最近では3Dの地形や計画モデルをぐるぐる回して、いろんな角度からお見せして理解しやすい説明をする工夫をしています。
——プロとしての腕の見せどころはどんな場面ですか?
設計業務では、まず基準書に沿って計画を立てますが、すべてが想定通りに進むわけではありません。基準書に記載されていないケースが起こることも多く、その際は安全性や公益を確保するために慎重な検討が必要です。重要なのは、「この計画なら安全で順調に施工できる、安心して生活できる」と発注者や地元住民が理解し安心できる設計を行うことです。
仕事は一人でやるものではない

—責任ある仕事を担う中で、最も困難だった経験や、そこから学んだことはありますか?
具体的に「これ」というのを絞るのは難しいんですが……たくさんあります。 そういうときに強く感じるのは、仕事は一人でやるものではないということ。例えば、難しいプロジェクトでは、何人かで社内会議を開いて方針を決めます。自分では「これしかない」と思っていても、全く逆の意見が上がり、他の人もそれに賛同するということがあるんです。
一つの目線にとらわれることで失敗した経験が何度かある中で、「何事も早く相談しておこう」と学びましたね。
——これまでの歩みにおける転機はありますか?
入社当初は道路設計の部署にいたのですが、今の河川・砂防の部署に異動してきて、初めて主担当として任された業務が大きなターニングポイントでした。
それまでは上司の指示通りの設計をすることが大事で、人の仕事を手伝っている感覚だったんです。でもその時がターニングポイントとなり、自分で考えて「これが最適だ」というところを追求しています。多くの人の役に立つ仕事をするには、まず自分がこう考えてこういう根拠があるから提案しているんだ、ということに納得していないといけない。
もちろん自分の考えが正解ではないですが、社内会議の中で方向を修正してもらいながら、自分の「作品」ができる。そういった時に成長できていると感じます。
——「作品」という言葉が素敵ですね。
ちょっと格好つけすぎたかもしれません(笑)。でも、本当にそれくらいの思いでやっているということですね。
実際、自分がパソコンや紙で設計していたものが、100倍くらいの規模で現場に出来上がるんですよ。自分が設計したものが形になる感覚は、本当にやりがいがあります。
社員の声で変化する環境

——入社した頃と比べて、会社はどのように変化しましたか?
大きく変わったのは、ビジネスチャットやリモート会議の導入ですね。発注者や支社とのやり取りが格段にスムーズになりました。
また、社内のコミュニケーションも密になりましたね。もともと設計部はパソコンに向かって図面を描く作業が多いので、以前は和気あいあいとした会話も少なかったです。他の部署から「設計部は暗い」なんて言われたりもして(笑)。
それで最近、オフィスでBGMを流し始めたんです。これが意外と良くて、雑談や会話のきっかけになるんですよね。最初は設計部だけだったんですが、「それいいな」と他の部署でも始めたりして。 最近では設計部全員で「コミュニケーションゲーム」をやりました。ボードゲームを何種類か用意して、何チームかに分かれてプレイするんです。会話が必要なゲームとか、お互いの価値観を合わせるようなゲームを通して、「この人、こういう人だったんだ!」と気づき、仲良くなるきっかけになっています。
——いろんな側面で、どんどん声を発しやすい環境ができているようですね。
そうですね。月に1回、労使委員会という会議もあって、各部署の代表が社員からの意見を集めて、社長や役員と話し合うんです。例えば、給与のベースアップや、1時間単位の有給休暇制度、入社後すぐから有給休暇を付与する制度などが、社員からの意見を反映して実現しました。
——休日はどのように過ごされていますか?
一人でいるより、誰かと一緒に過ごすのが好きです。友達や奥さんの影響で旅行にもよく行きます。今年は万博にも行きましたし、岐阜の白川郷や能登にも行きました。バーベキューや焚き火をしたり、最近は焙煎網を使ってコーヒーの生豆を焙煎したり。冬はスノーボードもします。
——フレキシブルに休みが取りやすい環境なんですね。
そうですね。有給休暇も取りやすいですし、プライベートを大切にしながら働ける環境だと思います。
「失敗してもいいんだ」という気持ちで進んでほしい

——ご自身の経験も踏まえ、後輩や若手社員に接する際に心がけていることはありますか?
「言語化」を意識することですかね。自分が言葉足らずだなと思うことが多くて、もっと言語化できるようになりたいと思っているんです。「それ」「あれ」といった指示語を使わず、しっかり文章として伝えた方が、相手も納得しやすい。
とはいえ、全部を全部、説明したり手を差し伸べたりしすぎないようにしたいと思っています。私自身、1から100まで全部教えてもらうのではなく、自分で考えてやってみたから学べたことが多いので。
——これから入社を考えている方へ、メッセージをお願いします。
ありきたりかもしれませんが、失敗を恐れずに進んでほしいです。
正直、自分もたくさん失敗してきましたし、今もそうです。でもその度に上司や先輩に支えてもらい、助けてもらいました。「失敗してもいいんだ」という気持ちで進んでほしいなと思います。
逆に、私は「助けてもらえるんだ」と感じてもらえるような環境作りや信頼関係を築いていきたいと思っています。
(取材・執筆:田野百萌佳)
株式会社ササヤマは1969年の創業以来、自動車や家電製品などの部品製造に欠かせない”プレス金型”の設計から加工、組立までを一貫して手がけています。国内外に拠点を持ち、グローバルな視点で挑戦を続けています。2025年現在の社員平均年齢は39歳と若さあふれる企業です。
今回お話を伺ったのは、入社4年目の秋田和徳(あきたかずのり)さん。専門用語に苦戦しながらも経験を重ねていく中で、今は仕事のやりがいを感じているのだそう。入社して感じた職場の雰囲気や今後の目標にいたるまで、ものづくりのリアルを語っていただきました。

技術部 設計課 秋田 和徳(あきた かずのり)さん
2022年新卒入社 設計課の解析担当。大学では工学部に所属し機械工学を学ぶ。学生時代はサイクリング部で自転車に夢中だった。社会人になってからは、休日に散歩するのが息抜き。
何度も繰り返すシミュレーションの先にあるやりがい

──プレス金型とは、どのような製品なのでしょうか?
金属の板を曲げたり切ったり、目的の形状に加工する専用道具のことです。身近なところだと、自動車や冷蔵庫、エアコンの室外機などの部品の製造に使われています。弊社では、そのプレス金型の設計から、加工、組立までを一貫して行っています。
──秋田さんは設計課で具体的にはどのような業務をされているのですか。
設計課には”設計”と”解析”がありまして、私は”解析”を担当しています。
”設計”は、営業が受注した金型製品の図面をCADを使って設計します。”解析”は、 金型の設計前に金属の板がどのように加工されているのかをシミュレーションで確認して、加工途中に不具合が起こらない工程を設定して、それを設計担当者に渡すという仕事です。
分かりやすく例えれば、折り紙でウサギを作るとします。紙の特性も考慮しながら、どういう順番で折れば、想像通りのウサギができるかを何度も試す。というような作業をしています。実際は金属の板なので、伸びづらかったり、曲げたら割れてしまうという問題も発生します。その問題を早期に発見することがシミュレーションの目的です。
もう少し具体的なお話をすると、受注した際に完成形が分かる3Dモデルを共有してもらい、それを作り直してシミュレーションを実行、結果を確認するという作業をしています。問題が解消されるまで修正を繰り返しており、作業期間は短ければ三日ほど、長い場合は一ヶ月ほどかかることもあります。
──どのようなときに仕事のやりがいを感じますか?
シミュレーションで不具合を解消した瞬間ですね。 適当な設定だと、不具合がどうしても起こってしまうんですよ。「どうすれば不具合を解消できるか」という問題に対して、決まった解決策がないので、個別の解決策をそのシミュレーション上で考える必要があります。 シミュレーションで発覚した問題に対して、これまでの経験と知識を照らし合わせて問題を解消することが大きなやりがいだと感じてます。
──「この時は大変だった」というエピソードがあれば、教えてください。
解析が全然終わらなかったことですね…。 加工が難しい形状の製品だったということもありますが、入社して2年目頃だったので知識も経験も少なかったんです。シミュレーションの結果はどこを見ればいいのか、どこをどのように変えれば効果的なのかが分かっていなくて。
──それをどのようにして乗り越えられたのですか?
同じ業務をしている先輩と経験が豊富な他部署の職人さんの2人と打ち合わせを行いまして、それで問題は一応解決しました。
圧倒的スケールに感動~入社後のリアル

──入社を希望された経緯をうかがえますか。
会社のホームページを見て、初めは何を作ってるのか分からなかったんです。でも、会社説明会に参加して、工場見学した際に、家ほどある謎の機械やベッドより大きい金属の板がたくさん並んでいるところを見て、そのスケールの大きさに感動したんですよね。
生産設備は普段見る機会もないですし、日常生活では見ることがないスケールがここにはあるので、興味を持ったというのがきっかけですね。
説明会で担当してくださった方がとても親切で、こちらの話もしっかり聞いてくれましたし、工場見学は隅々まで丁寧に案内してくれて、工場の雰囲気や働く様子を見ることができたことも良かったです。
──実際入社してみて、ギャップはありましたか?
意外と意見や相談がしやすかったですね(笑)社会人は「問題は自分で解決しないといけない」と思っていたことと、会社見学の際に社員さんが静かに黙々と仕事をしていたので、相談しにくいイメージでした。
入社してから気づいたんですが、見学者が来ると静かになっちゃうんですよね(笑)私自身も、仕事中に見学者が来ると「静かにしておこう」ってなってしまいます。
──仕事中に相談し合うことはよくありますか。
設計課で私が1番若いので質問されることはないんですが、私から相談はします。同じフロアですぐ話せる環境なので、雑談に近い感じで「これってどうすればいいんでしょうね」という感じで気軽に相談しています。
──入社するまで想像していなかった、仕事の難しさはありますか?
業界ならではの専門用語ですね。会社ごとで呼び方が違うこともありますし、同じ用語でも指している範囲が違うことも…。慣れるまでが大変でした。今も時々分からない言葉がありますが、これまでのやりとりやメールの文脈で分かるようになりました。
──専門用語に慣れるまでに経験は必須ですね。
想像しなかった仕事に出会えた~解析の次なるステップ

──秋田さん自身の今後の目標を教えてください。
現在、シミュレーション結果と実際の金型で加工した製品との間にズレが生じることが多く、その要因は一つではなく複数あると感じています。それらを一つひとつ自分で検証していくしかないと考えています。
シミュレーションソフト自体は操作できますが、十分に理解しているとは言えないので、勉強不足だと感じる場面もあります。
今後は、解析のシミュレーションに関する知識をさらに深め、社内でシミュレーションの品質向上に貢献できるようになりたいと思っています。
──最後に、就職活動中の学生や転職活動中の求職者の方へメッセージをお願いします。
入社してから今まで、自分の考えやイメージと現実は異なる体験ばかりでした。今、自分が実際にしている仕事も、学生時代の自分には想像もできませんでした。
やはり、できるだけ実際に体験してみることが大切だなと感じています。積極的に説明会や見学会など、機会があれば参加していただければなと思ってます。
(取材・執筆:根岸春香)
JAバンクの一員として、鳥取の農業と地域を金融面から支える鳥取県信用農業協同組合連合会(JA鳥取信連)。今回お話を伺ったのは、入会5年目で企画管理部に所属する岡村さん。大学時代に出会った「地域金融」の世界と職場の空気に惹かれ、地元・鳥取での就職を選んだ一人です。数字と向き合う企画管理部での仕事や、異動を通して広がった視野、そして就活生へのメッセージまで、率直に語っていただきました。

企画管理部 岡村 果奈(おかむら かな)さん
1998年生まれ。鳥取県出身。公立鳥取環境大学経営学部卒業。
大学講義の地域金融ビジネス講座をきっかけに、地元・鳥取の地域発展に寄与する金融機関としての存在意義に惹かれ、2021年に鳥取県信用農業協同組合連合会(JA鳥取信連)に入会。入会後は融資部、証券業務部を経て現在の企画管理部へ。決算事務を中心に様々な業務を担当している。
企画管理部の仕事─数字で組織全体を支える縁の下の力持ち

──会社の事業について簡単に教えてください。
まず、JAというのが農業協同組合のことで、相互扶助の精神のもと様々な事業や活動を行っている組織です。中でもJAバンクが、貯金やローン・為替など金融サービスを提供する信用事業を行っている部門になります。全国段階・都道府県段階・市町村段階…と組織にそれぞれ段階があるのですが、私たちは信連ですので、信用事業における都道府県段階の組織として、JAの活動をサポートして、農家組合員の方だったり、地域住民の方を金融面から支援して、地域発展に取り組んでいます。
──岡村さんは、どんなお仕事をされているのですか?
入会して最初の3ヶ月は融資部の農業金融センター、その後は証券業務部で窓口業務を約2年半担当。そして現在の企画管理部へ…と、5年間で3つの部署を経験してきました。
今は企画管理部という部署に所属していて、今年で2年目になります。企画管理部では、決算業務や収支見通しの作成、事業計画の策定などを担当しています。結構日々やってることはバラバラなのですが、決算関係だと財務諸表の作成や業務報告書、ディスクロージャー誌の作成など、いわゆる信連全体のお金の流れを整理して、今とこれからを数字で描いていくような仕事です。
用語もわからず焦る日々。乗り越えた先に、面白さに変わった

──仕事をしている中で、面白さを感じた瞬間ってどんな時ですか?
業務の中で、経営が抱えるリスク構造等の実態把握を基に、最適資金配分の方向性を決定する等の経営戦略を構築していく「ALM委員会」という会議があります。その委員会の運営を担当させてもらっているのですが、会議資料の作成にあたって、長期金利や株価・政治動向といったマーケット情報に関する知識が必要になるんです。
異動したての頃は、興味もなかったしもう全然さっぱりで。用語もわからないし、会議の中で何を言っているのかが理解できなかったんです。どうしよう…とついていけなくて当時はかなり焦りました。
でも、毎日記事を読んだり、わからない言葉は上司や先輩に聞いたりとコツコツ積み重ねていくうちに、最初は用語の暗号解読みたいな感じだったのが、だんだん意味がわかるようになってきて。毎日情報を継続してチェックすることによって、マーケットの知識も身についてきたし、最近はテレビで政治のニュースが流れていたら、自然と興味を持って見てしまうようになりました。
「この出来事があったら金利はどう動くのかな」と経済動向を考えるクセもついて、こういう部分に興味を持てるようになったというのは、すごく良かったなと思っています。自分自身の成長も感じますし、面白いです。
今は、会議資料ひとつとっても、「もう少しこうした方がわかりやすいかな」とか、「ここはこの情報を足した方がいいかも」と考えられるようになってきました。もちろん自分一人で作るわけではないですが、自分なりによりよく工夫できる余地が増えてきたのは、やりがいになってるなと感じています。
地元・鳥取で、無理なく働きたい。鳥取信連を選んだ理由とは

──岡村さんは、就職活動の時、どういう決め手で選んだのですか?
鳥取県信用農業協同組合連合会の存在を知ったのは、大学講義の地域金融ビジネス講座がきっかけでした。金融に携わるいろんな立場の方が特別講師として来られる授業で、そこで初めて名前を聞いたんです。JAに資する金融機関として、より良い地域社会を築くことを目的にしていると知って、鳥取で生まれ育った自分には合っているかもしれないなと思いました。
元々、業界を金融一本に絞っていたわけではありません。それよりも、地元で働くことと、休みをしっかり取れる会社かどうかを大事にしていました。そこまで「鳥取が大好きで仕方ない!」という大げさな感じではないんですけど(笑)、やっぱり馴染みがある場所なので。
数ある企業のなかで、最終的に鳥取県信用農業協同組合連合会を選んだ決め手は、説明会で出会った“先輩たちの声”でした。説明会に参加したときに、そこで働く先輩方が「休みが取りやすい」とおっしゃっていて、自分の大事にしたい条件と合っているな、という印象が残りました。
実際に働いてみても、イメージとのギャップはあまりなくて、かなり休みは取りやすいのではないかと思います。仕事とプライベートどちらも両立できるのは魅力的ですよね。
「皆さん優しい。」異動の多い職場でも安心できる空気感
──では、企画管理部の雰囲気はどんな感じなのでしょうか。
やっぱり皆さん優しいです。これが会社の魅力だと思います。異動はしょっちゅうあるので、わからない環境に飛び込むことになる状況も多いのですが、その度に皆さん協力的で。いつも助けてくださって、本当にありがたいなと思っています。これはどの部署にいってもそうだと思いますね。
私が異動したてで用語がわからなかった時も、すごく助けていただきました。いっぱいいっぱいになっている様子を見かねて、代わってくださったり相談にのってもらったり。知識も沢山教えてもらいましたし、前任の方にも質問しに行ったら一個一個丁寧に教えてくださって。問題が発生したら、一緒に原因を考えてくださったりもしました。皆さん自分の仕事で忙しいはずなのに、皆さんのおかげで、私は壁を乗り越えられたなと思います。

事務所全体としては、真面目な人が多くて、静かめな職場だと思います。皆さん黙々と仕事に取り組んでいる印象です。ただもちろん雑談もしたりしますし、会議資料の作成や今後の金利動向の話など、業務に関することはちゃんと話し合う文化があります。
先輩から「今こういうことが起こっているけど、今後金利はどうなると思う?」って聞かれて、自分なりの意見を言ってみて、上司はまた違う見解を持っていたり…。そんなやり取りもあります。動向を読むのは難しいのですが、予想が当たったら喜んだり(笑)。カチカチした雰囲気ではなくて、雑談に近い雰囲気でそういう話ができるのは、企画管理部ならではかもしれません。
やってみてわかる仕事の楽しさと、これから挑戦する人へ
──岡村さんは今後、どのように成長していきたいですか?
組織全体の目標達成に貢献するためにも、現在担当している業務を一つ一つ確実にこなしながら、専門性を高めていきたいと思っています。今はまだ勉強中ですが、知識をもっと身につけて、目標達成や組織のためになる方策を考えたり提案できるようになりたいです。
今担当している業務は一通り自分で回せるようにはなってきたと思うので、今後は特に税務関係の知識を増やしていきたいですね。JA全国段階の組織・農林中央金庫が開催している研修もあるので、来年はそういった研修を受けて、勉強しようと考えています。
結構研修の種類も多く、勉強できる機会は多いです。鳥取県信用農業協同組合連合会では、毎年「今年はこの試験を受ける」と決めて、費用面もサポートしてもらえたりします。面談を通して自分に合った研修や試験を選べるので、学びたい人にはすごくいい環境だと思います。

──最後に、これから就職活動を迎える学生・求職者の方へのメッセージをお願いします。
就職活動って、自分と向き合う時間がとても多いと思うんですけど、働いてみてからわかる適性や新しい発見もたくさんあります。だから、最初から『自分はこれが向いている/向いていない』と決めつけすぎない方がいいのではと思っています。
私自身、証券業務部の窓口に配属って聞いたときは、「自分には向いてないんじゃないか…」と思っていました。でも、実際やってみたら楽しかったんです。そういう経験もあって、「やってみないとわからないな」とすごく感じました。
だからこそ、業界や職種を狭めすぎず、いろんな業界を見てみて、興味が湧いたところにはぜひ飛び込んでみてほしいです。もちろん簡単に辞めてしまうのはおすすめしませんが、「合わないな」と思った経験も、次の一歩を考える材料になると思います。鳥取県信用農業協同組合連合会は、異動もありますし、周りの皆さんもとても優しくて、わからないことがあっても助けてくれる環境です。地域に貢献しながら、自分も成長していきたい人には、きっと合っている職場だと思います。
(取材・執筆:坂牧真)
鳥取県と島根県に23店舗の食品スーパーマーケット「まるごう」を展開する株式会社丸合は、地域住民の「毎日のふだんの生活」を支えています。
今回お話を伺ったのは、入社11年目で人事部に所属する上田 亜寿沙(うえだ あずさ)さん。「スーパーマーケットの仕事は、意外と多岐に渡るんです」。そう話す上田さんに、地域に根ざしたスーパーマーケットにはどういった仕事があるのか、社員のキャリアパスや今後の展望などについてお聞きしました。

人事部 採用・能力開発グループ 上田 亜寿沙(うえだ あずさ)さん
まるごうで働く母の勧めを受け、株式会社丸合に入社。店舗でレジ業務を経験後に、人事部 採用・能力開発グループへ異動。採用担当者として、会社の魅力を伝えたり、入社後のフォローをしたりしている。
母の勧めで入社した丸合は、“第二のお母さん”に囲まれたアットホームな職場だった
──まずは丸合の事業について教えてください。
当社は1954年に創立し、山陰両県に23店舗の食品スーパーマーケットまるごうを展開する会社です。「食」を通じ、地域のお客様の「毎日のふだんの生活」を支えるパートナーとして、スーパーマーケットの事業を行っています。
──上田さんは、どのような経緯で丸合に入社されたのですか?
当時、丸合で働いていた母に勧められたことが入社のきっかけです。幼少期から祖父母や両親に連れられてまるごうで買い物していたので、地元で働きたいと考えていた私にとって馴染みある企業で働けることはうれしかったです。4〜5年ほど店舗で勤務したあとに、人事部へ異動し現在に至ります。
最初は正社員ではなく、自分のライフスタイルに合わせて働くパートナー社員として入社し、レジなど基本的な店舗業務を経験。当時の働きぶりが良かったのか、店長から「正社員として働いてみないか」とお声かけいただき、正社員になりました。

──お母様が「娘に入社を勧めたい」と思える職場だったのでしょうね。実際の職場の雰囲気はどのように感じましたか?
店舗で働き始めたとき、とても温かい職場だと感じました。当社の社員はパートナー社員・正社員を含めて1,290名程度おりますが、店舗には幅広い年齢のパートナー社員がかなり多いです。仕事に不慣れな私を優しく包み込んでくれる、お母さんのような人ばかりでした。元気な学生アルバイトさんもいて、明るくて優しいアットホームな場所でした。
ちなみに当社はお互いを役職名ではなく、「さん付け」で呼び合うんです。役職は「身分関係」ではなく「役割関係」と考え、お互いを尊重しあう社風が根付いています。人事部に異動した後も、温かい雰囲気は変わりませんでしたね。
レジに品出し、営業企画。スーパーを毎日“当たり前”に運営する、その裏側
──11年勤めてこられて、印象に残っていることはありますか。
やはり入社したてのころの仕事、レジ業務が印象に残っています。レジ業務は直接お客さまと接する仕事なので、「あなたの接客がよくて毎日買い物に来ている」「あなたの笑顔に助けられているよ」という言葉をいただくこともありました。
実は今でも繁忙期には店舗に入ってレジ業務を手伝うことがあるんです。先日も、店舗勤務時代によくお話ししていたお客さまが私のことを覚えていてくれて、「久しぶり」と声をかけてくださいました。店舗を離れてから何年も経っていたので、覚えていてくださったことに驚きと同時にうれしさがこみ上げました。
──お客さまと接するお仕事だからこそのやりがいですね。スーパーマーケットのお仕事は表に見えているレジや品出し業務以外にも、他にどういった仕事があるのか教えてください。
青果、水産、食肉の部門では、食材をカットしたり袋やパックに詰めたりなどの加工をして新鮮な食材がお客さまに届くようにしています。デリカ部門ではお弁当やお惣菜を作っています。その他にも扱う食品によって部門が分かれていて、「自分が関わった商品が売れることがやりがい」と話す社員も多いです。

──現在の上田さんのように、本部で働かれる方々はどのようなお仕事をされているのでしょうか。
本部のお仕事も多岐に渡ります。市場で生鮮食品を買い付けたり売り場のレイアウトを考えたりする商品部、イベント企画やチラシ作りなどをする営業企画部など、さまざまな本部部署が店舗と連携しています。
──私たちの想像以上に多くの仕事があり、まるごうが運営されているのですね。どのような段階を経て、お仕事(の幅)が広がっていくのでしょうか。
まずは現場を知るためにも、入社後は店舗勤務からスタートしていただきます。経験を積んだ後に、店長として店舗の責任者となる方や本部へ異動する方もいます。定期的に面談を実施しているので、自分が描くキャリアを伝える機会があり、誰にでもチャンスがめぐってくると思います。
組織の成長が社員の人生を豊かにするという考えのもと、2年ほど前に人事制度が改定されました。正社員に対してだけでなく、パートナー社員の方も店舗チーフを目指せるようになるなど多様な働き方が生まれ、生き生きと働かれる方が増えました。
店舗で身につけた「聞き役」の習慣が、人事の仕事でも活きている

──上田さんが人事部でどのような業務を担当しているのか教えてください。
私は社員採用と採用後の定着フォローを任されています。特に入社直後の新入社員は不安だらけの日々を過ごしているので、私が過去に店舗勤務していたときの体験などを交えてコミュニケーションをとってケアしています。当社に入社してくださった方々が活躍できるように、人事部として社員の不安を解消できたらいいですね。
──店舗勤務から大きく仕事内容が変わり、戸惑うことや難しく感じたことはありませんでしたか。
新卒採用においては採用活動の正解が分からないなかで、インターンシッププログラムを作ることが難しかったです。店舗の社員にヒアリングしたり先輩に助けていただいたりしながら形にすることができました。
ただ、社員とコミュニケーションをとることに関しては、店舗勤務時代から自然とできていたかもしれません。困っている方がいたら「聞き役」になることが習慣化していました。サポートする対象がお客様やまわりの社員から、当社に入社された方に変わっただけで本質は変わらないと思います。
人の細やかな部分にまで目を配れることが私の強みだと思うので、強みを活かせる場所に異動できたことが私のキャリアのターニングポイントだったと気づきました。
多部門を経験したり、ひとつの道を極めたり。多様な働き方があるスーパーマーケットの仕事を知ってほしい
──上田さんの今後の展望を教えてください。
採用担当として学生さんに企業の魅力を伝え、当社に入社したいと思っていただけるようにしたいです。まずは採用ホームページを充実させたり、企業説明会で魅力をお話ししたりすることから始めています。
また、今後はSNSにも力を入れたいと思っています。多くの学生がSNSを就職活動にも活用していると知り、変わりゆく時代の変化に合わせて採用方法もアップデートしていきたいですね。
──最後に、就職活動中の学生へメッセージをお願いします。
多くの人にとって身近な存在であるスーパーマーケットですが、意外なお仕事もたくさんあります。店舗でさまざまな部門を経験する方もいれば、本部人事部といった店舗をサポートする部署など幅広い職種を経験することができます。想像以上に楽しい仕事が待っていますので、ぜひ一緒に働きたいなと思います。
そして、社会人になることは不安かもしれませんが、安心してください。かつて私もお札の数え間違いで大きな赤字を出してしまったり、なかなかギフトラッピングが覚えられなかったりと失敗してきました。ですが、まわりの先輩のサポートのおかげで乗り越えることができました。私が先輩に助けていただいたように、今度は私が新入社員のみなさまをサポートしたいと思っています。

(取材・編集:大久保 崇・執筆:儀賀 千春)
山陰地方を中心に26の高齢者施設を運営する日翔会。「自らが受けたいと思う医療と福祉の創造」を理念に掲げ、利用者様が安心して日常生活を過ごしていただけるような介護サービスを提供しています。
今回お話を伺ったのは、介護職の澁谷 早紀(しぶたに さき)さん。認知症専門棟に勤務するチームのリーダーとして新入職員の教育に励んでいます。入職当初は介護の知識がなく不安も多かった彼女ですが、先輩の丁寧なサポートと資格取得制度を活かして成長し、今ではチームの頼れる存在として活躍しています。
介護の現場では、生きるうえで大切な考え方を教えてもらうことが多いと語ります。利用者様との関わりの中で、人生の尊さに触れながら学びを得る澁谷さんの姿から、日翔会の現場の雰囲気と働く魅力をお伝えします。

介護職 澁谷 早紀 (しぶたに さき )さん
実家で祖父母と暮らした経験から、ご高齢者と関わる職種に興味を持ち、大学卒業後に日翔会へ入職。働きながら資格取得制度を使って介護福祉士を取得。現在は、上司とともにケアマネジャーの資格取得を目指す。休日は友人とドライブや映画に行き、リフレッシュをしている。
24時間365日、人生を豊かに過ごしてもらうためのサポート

──まず日翔会について教えてください。
日翔会は医療福祉事業を行っており、自宅での生活が難しくなった方の生活全般を支援する入居型の施設や、生活の一部を支援する通所型の施設などを運営しています。
──澁谷さんの現在の業務内容についても教えてください。
私は介護老人保健施設で、介護が必要なご高齢の方が一時的に入居し、在宅復帰を目指してリハビリや医療ケアを受けられる施設に勤務しています。認知症専門棟でリーダーとして新入職員の教育をしながら、利用者様の食事やお風呂などのお手伝いをしています。

──入居型施設ということは、24時間体制でのサポートになるのですね。
そうですね。チームの中で日勤と夜勤に分かれて勤務しています。日勤は、利用者様が生きいきと過ごせる時間の提供を大切にしています。ご家族との面会や病院などの予定に合わせて動きつつ、食事やお風呂のお手伝い、さらには全員でのレクリエーションや、散歩や将棋など、一人ひとりの趣味に合わせた時間を作ることもありますね。
夜勤は、安心して夜を過ごしていただける環境づくりがメインです。朝晩の食事のお手伝いに加え、眠れない方がいらっしゃれば枕元でお話をし、体調が悪い方がいたらすぐに駆けつけます。日勤帯は医師や看護師が常駐していますが、夜勤帯は介護職員が医師に電話をつなぎながら一次対応をするので、特に気持ちが引き締まります。利用者様が就寝されている間は、掃除や事務処理などを行っています。
楽しい雰囲気は連鎖する。明るいチームで働く介護の現場
──介護職に就こうと思ったきっかけを教えてください。
実家が二世帯住宅だったのですが、祖父母の日々の変化に気づいたり、お手伝いしたりする中で、自然とご高齢の方の力になりたいと思ったことがきっかけです。学生時代の高齢者施設でのボランティアを通して、ご高齢の方が笑顔になる様子が実家での自分の経験と重なり、改めて「介護の仕事がしたい」と感じました。
──数ある介護施設の中で、日翔会を選ばれた理由はなんでしょうか。
日翔会のインターンシップに参加したときに、介護職員のみなさんが朗らかに利用者様と接していたのが印象的だったからです。双方が一緒になって楽しそうに過ごされていて、ここなら心の通った介護ができると思いました。
あと私は、介護とは関係のない大学に通っていたため、就職のタイミングでは介護資格を1つも持っていなくて。なので、資格取得のサポートがとても充実していたのも魅力的でした。入職後、働きながら施設内で開かれる勉強会に参加し、介護福祉士の資格を取得しました。
福利厚生も整っていてワークライフバランスがとりやすいです。なので、子育てをしながら働く方や、子育てがひと段落してパートで働く方と、さまざまなライフスタイルの方が働いています。

──実際に働いてみて、澁谷さんが感じている現場の雰囲気を教えてください。
入職前に思っていた通り、職員のみなさんがとにかく楽しそうに働いているなと、日々感じています。そんな中で、私もレクリエーションや行事を通して、利用者様と一緒に楽しみながら仕事をさせてもらっています。
チームワークもとても良く、体調不良で急に休まないといけなくなったときも、「お互いさまだよ」「どうにかなるから気にせずゆっくり休んでね」と、みなさん優しくて。とても、居心地の良い職場だと感じています。
かつて悩んでいた自分が、新人の背中を押せる存在へ
──澁谷さんご自身も入職当初と比べて成長したと感じることはありますか。
周りの様子を見ながら自分がどう動くべきか判断し、周りと協力して仕事を進められるようになりました。
最初はとにかく自信がなかったんです。そんな自信の無さが仕事にも表れていたのか、利用者様も不安になられて「ベテランの職員さんにお願いしたい」と申し訳なさそうに言われたことがあります。自分はこの仕事に向いていないのだと落ち込みました。
そんなとき、先輩から「最初から完璧な人なんていないから、一つずつできるようになれば大丈夫」と励ましていただいたんです。上司や同僚に何度もアドバイスをもらいながら、少しずつできることを増やしていきました。

──今では教育担当を任されている澁谷さんも、そのような葛藤を抱える時期があったのですね。
そうですね。当時の私と同じように悩んでいる人に、これまで自分が教わってきたことを思い出し、初心に返りながら成長の手助けをしていきたいと思っています。
自分が今まで培ってきた知識と技術を伝えることで、新入職員のできることが増え、楽しそうに仕事をしている姿を見るとやりがいを感じます。
後輩に何かを教える際は、相手の仕事の覚え方によって伝え方を変えるように意識しています。例えば、仕事内容を実際にやりながら身体で覚えるのではなく、マニュアルを読む方が覚えやすいという新入職員がいました。その方には、1日の流れのような仕事内容や利用者様全員の特徴などをメモに書いて渡して、インプットしてほしいことを先に覚えてもらうようにしました。
嬉しかったのは、2年目になった今も、いまだにそのメモを大切に持っていてくれていることです。しっかり仕事を覚えてくれたことは当然嬉しいことですが、そのメモが、今でもその方の役に立っているのを見ると、その方に合わせた伝え方が大事なのだと実感しています。
自分の手助けが誰かの生活の一部に。心が触れ合う介護の仕事

──仕事をしていてどのようなときにやりがいを感じますか。
2つあります。声のかけ方次第で、利用者様の生活を心地いいものに変えられたときと、利用者様の生活において欠かせない存在になれたと実感したときです。
たとえば、お風呂の時間。私たちの施設では、昼食後にお風呂に入ります。ご自宅で生活されていたころ、夕食後に入浴する習慣があった方などは、日中に入りたくないとこぼされることもあります。
そこで、「お風呂に行きましょう」ではなく「お風呂から上がったらお茶と和菓子が待ってますよ」と工夫してお声がけすると、「それなら入ろうかな」と腰をあげてくださるんです。湯船に浸かって歌を口ずさまれる姿を見ると、気が進まなかった時間を楽しいひとときに変えることができたと感じられて嬉しいです。
また、認知症状があるにもかかわらず、私のことを覚えてくださることもあります。本当は介護を受けずに自分で対処したいと思われる場面でも、「あなたにならお願いしたい」と信頼してくださると 、自分の存在が生きる支えになっていると感じられてやりがいになります。
──利用される方一人ひとりに向き合っているのですね。だからこそ見えてくる介護の魅力もありそうです。
そうですね。これまでの人生を過ごす中で培ってきた「その人らしさ」に触れるのが好きなんです。利用者様と接していると、その人ならではの人生の軌跡がふと垣間見える瞬間があります。
裁縫の仕事をされていた方であれば、いまもとても上手に編み物をされますし、国語の教師をされていた方であれば、豊かな表現で日記を書かれます。それぞれが歩んできた物語をみているようで、とても興味深いです。

──利用者様と関わる中で、特に印象に残っているやりとりはありますか。
こちらがサポートするばかりでなく、利用者様からも教えていただくことがすごく多いと感じます。身近なところでいえば、子育ての方法や、生活の知恵などをご自身の経験をもとに教えてくださいます。
それだけでなく、日々の出来事を心に刻みながら生きることの大切さを教えてもらいました。とある利用者様で、認知症の症状が進み、旦那様の名前もわからなくなってしまったという方がいらっしゃいました。でも、名前はわからなくなっても、旦那様やお子様との思い出はしっかりと記憶されていて、ある日その話を語りながら涙を流されたことがあって。
その様子を見て、本当に大事な思い出は記憶から消えずにいつまでも心の中に刻まれているんだと、私も涙がにじみました。私も、日々大切な人たちと一緒に元気に過ごせていることを、大切にしなくてはと思います。
目標はケアマネジャー。現場から全体支援へ、キャリアアップの道

──澁谷さんの将来の目標を教えてください。
現在は、上司である主任に憧れてケアマネジャーの資格取得を目指しています。将来は、要介護認定を受けて生活が不自由になったご高齢の方が、ご自身らしく生きていけるような介護計画を考える仕事をしたいです。
──最後に、就職活動生に向けてメッセージをお願いします。
介護は「してあげる」仕事ではなく、「ご高齢の方の生活の中に自分たちが関わらせていただく」仕事です。誰かの人生に寄り添える、とてもやりがいのある仕事だと感じます。興味がある方は、インターンシップなどで実際に職場の雰囲気を体感して、自分にあった職場を探してみてください。
また、社会人になると生活リズムの変化やライフイベントで友人と会ったり好きなことを勉強したりする時間はどうしても取りづらくなります。学生生活を最後まで目一杯楽しんでくださいね。
(取材、編集:大久保 崇・執筆:赤羽 エリ)
鳥取県を拠点に、オフィスの“働きやすい環境づくり”をワンストップで支援する株式会社モリックスジャパン。昭和21(1946)年、文具卸業からスタートした同社は、時代の変化に合わせてITソリューションやオフィスリノベーションなど、オフィス環境全体を支える事業へと発展してきました。
複合機やネットワーク運用、オフィス家具の提案など、地域企業のあらゆるはたらく環境を支える存在として、長年にわたり信頼を築いています。
その舵を取るのが、代表取締役社長の盛田翔平(もりた しょうへい)さん。これまで培った知見を活かしながら、組織体制と人事制度の両面から会社の未来を再設計しています。
「社員が誇りを持てる会社でありたい。そして、お客様の“未来の1歩先の未来”を共にデザインしたい。」
そう語る盛田さんに、創業80年企業の挑戦と変革への思いを伺いました。

代表取締役社長 盛田 翔平(もりた しょうへい)さん
関西学院大学経済学部を卒業後、キヤノンマーケティングジャパン株式会社にて3年間勤務。2019年に、家業である株式会社モリックスジャパンへ入社。2022年に代表取締役社長に就任。複合機やIT機器の販売・保守、ネットワーク運用などのITソリューションをはじめ、オフィス家具の提案・リノベーションまで、地域企業の多様なニーズに応える体制づくりを推進。
創業80年。“オフィスの働きやすい環境づくり”をワンストップで支援
──モリックスジャパンとはどんな会社なのか、事業内容を教えてください。
私たちは、オフィスの“働きやすい環境づくり”をワンストップで支援している会社です。複合機やパソコン、各種システムの販売・保守を中心に、机や椅子などのオフィス家具まで幅広く取り扱っています。最近ではクライアント企業のIT部門をサポートするアウトソーシング事業にも注力しています。ネットワークの運用管理や障害対応など、社内IT担当の役割を当社が代行する形で支援しています。
──創業から長い歴史のなかで、事業内容も変化してきたのでは?
そうですね。モリックスジャパンは、2026年1月に創業80周年を迎えます。最初は文具や用紙の卸業からスタートし、その後、コクヨ製の机や椅子などオフィス備品の販売へと事業を広げました。
1990年代半ばに、オフィスのIT化が進む時代の流れを見据えて「OA・IT部門」を新設。そこからIT商材の比率が徐々に高まり、現在では売上の約6割をシステム関連商材が占めています。
とはいえ、変わらない部分もあって。創業以来、私たちは地域の皆さまやお客様と“一歩先の未来を共にデザインする”という考え方を大切にしてきました。ただモノを販売するのではなく、お客様の課題を共に考えて、伴走することを心がけています。

──地域密着で信頼関係を築いてきた背景には、伴走の姿勢があるんですね。
商品で差別化するのが難しい時代だからこそ、人とサポート力で選ばれる会社でありたいと考えています。お客様の課題を丁寧にヒアリングし、解決まで寄り添う誠実な対応力や人間力こそが、モリックスジャパンの強みです。営業部・サポート部・総務部も含め、全社でお客様に寄り添う姿勢を磨き続けています。
ダメなら変えればいい。ビジョン実現のため挑戦と改善を重ねる
──社長に就任して、改めてパーパス・ビジョン・ミッション・バリュー(以下PVMV)を策定されたと伺いました。どのような経緯があったのでしょうか?
社長に就任したタイミングで、まず「この会社をどんな未来に導きたいのか?」を明確にしなければと感じました。というのも、私が就任する前は、日々の業務はしっかりしていたものの、会社としての“ビジョン”が言語化されていなかったからです。そこで、「何のために働くのか?」「この会社は何を目指すのか?」「お客様に提供する価値は何なのか?」を整理するところから始め、半年以上かけてPVMVを策定しました。
──そうだったんですね。具体的には、どんなビジョンを掲げているのですか?
大きく2つあります。
1つめは「人×デジタルのチカラでお客様の事業成功をリードする」。社員一人ひとりが課題を正しく捉え、共に考え、提案できる“人の力”と、ITやAIといった“デジタルの力”を掛け合わせて、お客様の成果に貢献することを目指しています。
2つめは「社員が誇りに想い社員のご家族に感謝される会社になる」。社員が誇りに想う状態とは、会社が良くなるだけでなく、個人の自己実現と会社のビジョンが重なることだと思っていて。そのために、1on1の質を高め、社員一人ひとりのなりたい姿と会社の方向性をリンクさせることを考えています。

──ビジョン実現のために、人事制度や休暇制度の改革を実行してきたそうですね。
導入しているフリーバカンス制度(3日間連続休暇)も、組織を強くするための施策のひとつです。コロナ禍のときに、担当者が感染して出社できなくなると、業務が止まってしまうケースがあって。課題を解決するためには、誰かが3日間休んでも回る体制が必要だと思い、3日休みの取得を義務化しました。
モリックスジャパンでは、「ダメなら変えればいい」の考えを大切にしています。挑戦しないと課題は見えてこないので、まずは実行して、うまくいかない部分があれば改善していくといったスタンスです。
チームで最短解決を目指す組織
──制度面での変革が進む中、実際の業務の進め方にはどんな変化がありましたか?
以前は、トラブル対応の際に「まず担当が現場へ向かう」といった対応が一般的でした。でも、お客様が求めているのは「誰が行くか」よりも「どれだけ早く直るか」だと気づいて。会社としても対応の仕方を抜本的に見直しました。
今では、社員一人ひとりが最適な方法を自分で考え、スピード感を持って行動するようになっています。そうした主体的に動ける社員が増えたのは、大きな変化だと思います。

──なるほど。具体的にはどんな体制に?
問い合わせ窓口を一本化しました。以前は担当者ごとに直接電話を受けていたため、対応漏れや二重対応が発生し、復旧までに時間がかかっていたんです。
現在は、トラブル対応専任のチームが一次対応を担っています。現場へ駆けつける前に、リモートで状況を確認・操作できる体制を整えたことで、軽度な不具合なら10〜15分ほどで解決できるケースもあります。
現場が必要な場合は、最寄りのメンバーが即時に駆けつけます。「担当者本人が行くべき」といった従来の考え方を改めて、チーム全体で最短復旧を目指す体制に変えました。現在は「障害発生から1時間以内の復旧」をKPIに掲げ、全社で共有しています。この仕組みにしてから対応漏れも減り、社員同士の連携も強くなりました。
プロフェッショナルであり続ける会社へ
──これまでの取り組みを経て、これからどんな会社にしていきたいですか?
“人”の力で選ばれる会社になりたいと思っています。社員が提供できる価値が増えれば、自然とお客様の満足につながり、最終的に会社の利益として返ってきます。その利益を社員に還元し、また誇りを持てる環境づくりに投資するといった好循環をつくることが、理想の姿です。
その理想に向けて、今後は「プロフェッショナルの組織化」に注力したいです。それぞれの職種で「自分にとってのプロとは何か?」を言語化して、日々の仕事に落とし込むことが大切だと考えています。

──最後に、学生に向けてメッセージをお願いします。
「Be Professional(プロであれ)」という言葉を伝えたいです。これは当社のバリューにも入っていて、私自身が大切にしている考えでもあります。“プロフェッショナル”とは、スキルが高い人ではなく、自分の仕事に責任と誇りを持っている人のことだと思っていて。自分なりのプロ意識を持てる人と、ぜひ一緒に働きたいですね。
モリックスジャパンは、まだ私の理想の途中段階です。会社の変革は、一緒に考えてくれる人によって進んでいくと思います。だからこそ、当たり前を疑い、常に今の最適解を考える人に入社してほしいです。
(取材:大久保 崇・編集:成田愛恵・執筆:石田千尋)
地域に根ざした金融機関として、鳥取の暮らしや事業活動を支えてきた鳥取信用金庫。預金・融資・為替といった金融サービスはもちろん、NISAや投資信託、保険など幅広い商品を扱いながら、“Face to Face”の精神を大切に、お客様一人ひとりに寄り添った支援を続けています。
今回お話を伺ったのは、鳥取信用金庫で、地域の“住まいとお金”の相談役として17年間伴走してきた、谷口 伸江(たにぐち のぶえ)さん。
預金窓口での接客業務からキャリアをスタートし、結婚・出産を機に融資窓口へ異動し、個人のお客様の資金相談をサポート。今回は谷口さんが、ライフステージの変化を力に変えながら、お客様の人生に寄り添う仕事を長く続けてきた理由に迫ります。

鳥取信用金庫 谷口 伸江(たにぐち のぶえ)さん
本店営業部融資課課長代理。預金窓口での接客業務からキャリアをスタートし、結婚・出産を機に融資窓口へ異動。以来、住宅ローンを中心に、個人のお客様の資金相談から審査手続き、契約まで一貫してサポート。長年の経験で培った傾聴力を強みに、地域の暮らしを支え続けている。
地域に密着し、お客様一人ひとりに直接向き合う仕事
──本日はよろしくお願いします。まず、鳥取信用金庫の事業と谷口さんの業務内容について教えていただけますでしょうか。
鳥取信用金庫は、地域に根差した金融機関です。預金、融資、為替といった業務に加え、NISAや投資信託、保険なども取り扱っています。地域の中小企業や個人事業主のお客様を中心に、地域に密着したサービスを提供しています。
私は現在、本店営業部融資課で、個人のお客様や事業者の方から寄せられる資金相談に対応しています。住宅ローン、リフォームローンやマイカーローンなど生活に関わる融資相談のほか、事業者の方からの運転資金・設備資金のご相談も担当しています。
それぞれのお客様の状況をお伺いし、資金計画の検討、必要書類のご案内、審査に向けた手続きのサポート、ご契約の対応まで一連の流れをお手伝いするのが主な業務です。

──金融業界で働く魅力は、どのような点にあると思われますか?
お金は、人生のあらゆる場面で必要なものです。貯蓄、住宅購入、教育資金、開業資金など、人生のさまざまなステージで、私たちはその重要な局面に関わることができます。
また、数字や書類だけで完結するのではなく、「一歩を踏み出したい」という想いをもったお客様の背中を押す役割を担えるのも、金融業界だからこそではないでしょうか。お金にまつわる不安が解消されることで、お客様の表情がぱっと明るくなる瞬間に立ち会えることが、大きなやりがいです。
金融業界は“人生の決断に伴走する仕事”であり、その責任と喜びを味わえる点が魅力だと感じています。
──金融機関のなかでも、鳥取信用金庫ならではの特徴はどのような点にあると感じますか?
やはり、地域に密着している点が一番の強みだと思います。営業エリアが定められているため、お客様との距離が近いんです。支店によっては、地域のお祭りやイベントに参加させていただく機会もあり、地域の方々との交流を深めることができます。
長く同じ地域を担当することで、単発での取引ではなく、長期的に深い関係を築けるのは、鳥取信用金庫ならではの醍醐味だと感じています。
覚えることに必死だった日々。あの頃苦手だった接客が、今ではやりがいに
──これまで長く働いてこられた中で、様々な経験をされてきたと思います。入庫したてや経験が浅かった頃を今振り返ってみるといかがでしょう?
そうですね。入庫して2〜3年目のころ、預金窓口を担当していたのですが、覚えることが本当に多くて、お客様対応も慣れておらず、毎日が必死でした。
実は当時、人と話すことに苦手意識があって……。窓口では一日に多くのお客様とお話しするので、最初のころはうまく会話が続けられず、帰り道に落ち込むことも。「自分はこの仕事に向いているんだろうか」と悩んだ時期でもありました。
それでも続けてこられたのは、職場の雰囲気のよさと、周りの職員の支えがあったからです。上司が気軽に声を掛け、親身にアドバイスくださいました。同期や先輩方にも「大丈夫、少しずつ慣れていくよ」と励まされたことで、徐々に自信がついていきました。
そうして続けていくうちに、お客様の方から「谷口さんにお願いしたい」と言っていただける場面が増えていきました。窓口で初めて指名をいただいたときは、胸がジーンと熱くなりましたね。苦手だった接客が、いつの間にかやりがいに変わった瞬間でした。
──素敵ですね。他にも印象的だったお客様とのエピソードがあれば、ぜひ聞かせてください。
融資担当になって初めて、住宅ローンのお客様を担当したときのことは、今でも鮮明に覚えています。初めての家づくりで不安を抱えていたお客様に対し、金利プランの比較や返済シミュレーションを一つひとつじっくり説明し、資金計画の見通しを一緒に整理していきました。「これなら無理なく返していけそうです」と安心していただけたとき、新しいお家を建てるというお客様の夢を叶える一助となれることに、大きなやりがいを感じました。
そして、契約まで1年ほどかけて伴走した結果、「ぜひ内見に来てください」とご招待いただいたんです。お客様の夢や希望に寄り添い、担当として信頼していただけたことを実感し、この仕事をしていて良かったと心から思いました。
結婚、出産。ライフステージの変化で得た経験が、お客様の喜びに変わった瞬間
──庫内の様子も伺いたく、職場はどのような雰囲気でしょうか?
入庫して17年経ちますが、職員同士のコミュニケーションが活発で、風通しの良い雰囲気はずっと変わりません。上司や先輩に気軽に相談できますし、私自身も後輩が悩んでいるときは、手を止めてじっくり話を聞くようにしています。
日々の雑談も多く、ちょっとしたことでも声を掛け合う文化が根づいているんです。たとえば、住宅ローンの案件で悩んでいた後輩が「ちょっと聞いていいですか?」と席に来たとき。その場で周りの職員も一緒になってアイデアを出してくれたことがありました。部署を越えて自然と協力し合う、そんな温かさがあります。
仕事の相談だけでなく、「夏休みはどこに行くの?」「お子さんの行事どうでしたか?」など、プライベートの話もよく飛び交います。お互いを尊重し合える関係性があるからこそ、安心して働ける職場だと感じています。

──谷口さんは子育てをされているかと思いますが、子育てと仕事の両立のしやすさについてはいかがでしょうか?
鳥取信用金庫は、子育てをしながら働きやすい環境が整っていて、働くママの一人として本当に感謝していますね。育児目的休暇や養育両立支援休暇など、子育てと仕事を両立しやすい制度が充実しており、安心して働けています。
急な子どもの体調不良で休まなければならないときも、周りが快くフォローしてくれて。そして何より、転居を伴う転勤がないことも、地元で長く働き続けられる大きな理由です。子どもの成長を間近で見守りながら、地域に根差した働き方ができるのはありがたいですね。
──結婚や出産を経て、キャリアにどのような変化があったか教えてください。
独身時代は長く窓口業務を担当していましたが、結婚・出産を機に融資課へ異動しました。ライフステージの変化に伴い、仕事や人との関わり方に対する価値観も大きく変わったと実感します。
子どもを産んでからは「誰かのために頑張りたい」「人の夢や挑戦を支えたい」という他者貢献の気持ちが以前より強くなったんです。家族という守るべき存在ができたことで、人を支えたいという気持ちが自然と深まったのかもしれません。
その変化は、融資の仕事にも活かされています。融資のご相談に来られるお客様は、事業の立ち上げやマイホーム購入など、大きな決断や夢を抱えて来られます。
私自身も家庭を支える立場を経験したことで、お客様が感じている不安や期待に、より一層寄り添えるようになりました。自分自身の経験を活かしながら、お客様の人生の節目に立ち会える仕事に、これまで以上のやりがいを感じています。
支えてもらった経験を後輩へ返していく、そんな“つなぎ役”になりたい
──今後のキャリアの展望について教えてください。
これまで融資窓口として多くのお客様の相談に向き合ってきましたが、今後は、開業や新しい挑戦を考えておられるお客様のサポートにも、多く関わっていきたいです。
融資の相談に来られる方の多くは、「夢を形にしたい」という強い思いを持ってご相談にいらっしゃいます。その気持ちを受け止め、背中を押す存在でありたい。そんな気持ちが年々強くなってきています。
また、若い職員のサポートにも力を入れていきたいです。私自身、入庫した頃から上司や先輩方に気さくに話しかけてもらい、さまざまな場面で助けられてきました。これからは自分がその“つなぎ役”になれたらと思っています。
──最後に、これから就職活動に臨む学生の皆さんへメッセージをお願いします。
就職活動中や仕事を始めたばかりの頃は、仕事の楽しさがわからず、悩むこともあるかもしれません。ただ、仕事の面白さは、最初からはっきり感じるものではなく、続けた先に実感できるものだと伝えたいです。
私自身、最初は「なんのためにやっているんだろう」と疑問に思っていた業務でも、経験を重ねるほど自分の中でつながり、ひとつ一つの仕事の意義が見えてくるようになりました。
入庫当初は得意とは言えなかった接客も、続ける中で少しずつ変化がありました。話すことに苦手意識がある分、お客様に寄り添って話を聞くことを大切にしていたら、いつの間にかその姿勢が「傾聴力」や「伴走力」として自分の強みになっていきました。
最初は覚えることも多く大変ですが、まずは目の前の仕事に一つずつ向き合っていく。その積み重ねが、やがて自分の自信となり、成長につながるはずです。
鳥取信用金庫には、地域の人々の生活や夢に直接関わることができるやりがいのある仕事と、それを支えてくれる温かい仲間がいます。私たちと一緒に、地域を豊かにする仕事に携わりませんか。
(取材・編集:大久保 崇 執筆:なこてん)